基準価額の状況
まるごとひふみは、運用開始から2021年6月以降はおおむね基準価額が10,000円を上回って推移しておりましたが、2022年初からの相場の悪化により、2022年1月14日以降、3ファンドの基準価額が全て10,000円を下回る状況となっております(2022年3月30日時点)。お客様にはご心配をおかけしております。
※基準価額は1万口あたりです。また信託報酬控除後の値です。
基準価額の変動要因
まるごとひふみの投資対象ファンドのうち、主に日本の株式に投資をするひふみ投信マザーファンドは、まるごとひふみの運用開始から2022年3月30日までで約8.2%基準価額が下落しており、まるごとひふみのパフォーマンス悪化の主因となったことが分かります。ひふみワールドマザーファンドは相対的に良好なパフォーマンスでしたが、他のマザーファンドの下落をカバーしきれませんでした。詳細については各投資対象ファンドの運用状況をご確認ください。
※各マザーファンドの基準価額をまるごとひふみの運用開始日の前営業日(2021年3月29日)を10,000として指数化して作成、算出しております。
※グラフ右の数値は各ファンドの設定日の前営業日(2021年3月29日)(「ひふみグローバル債券マザーファンド」は当初設定時)を起点として算出した基準価額の騰落率(小数点第三位を四捨五入)を表示しております。
※まるごとひふみ100は、ひふみグローバル債券マザーファンドは組み入れていません。
※まるごとひふみの投資対象ファンドの一つであるひふみワールドファンドFOFs用(適格機関投資家専用)は、ひふみワールドマザーファンドを高位に組み入れています。ここでは、ひふみワールドマザーファンドの基準価額の推移を記載しております。
投資対象ファンドの運用状況
※ひふみ投信マザーファンドのファンドマネージャーは2022年4月1日付で佐々木靖人に交代しておりますが、藤野英人は引き続き最高投資責任者(CIO)としてひふみシリーズ全体の運用を統括しております。
いつもまるごとひふみをご愛顧くださいまして誠にありがとうございます。運用開始から1年が経過し、ひふみ投信マザーファンドがまるごとひふみのパフォーマンスに貢献できなかったことを残念に思っております。この1年を振り返り、過去に何が起き、私たちがどのように対応してきたのかのご説明を申し上げます。私たちの運用方針は、調査と分析に基づいて中長期的に成長する企業へ投資することです。これまで私たちは、大企業のみならず中小規模の成長企業への投資を積極的に行なうことで、皆様からお預かりした大切な資産を成長させることに繋げてまいりました。しかし、昨年の年初から世界的な物不足により、徐々に物価が上昇し、それに歩調を合わせるように米国、欧州の金融政策が緩和から引き締めへ転換しました。このような転換期を迎え、株式市場ではそれまでに上がっていた成長株(グロース株)を売り、物価や金利変動に連動しやすい割安株(バリュー株)へ資金が移動する展開となり、成長株のパフォーマンスが割安株のパフォーマンスに比べて大きく悪化しました。
出所:Bloombergの情報を基にレオス・キャピタルワークス作成
※2021年3月29日の指数値を100として指数化しています。
※TOPIXグロース・TOPIXバリュー(以下「TOPIX等」といいます。)の指数値およびTOPIX等に係る標章または商標は、株式会社JPX総研または株式会社JPX総研の関連会社(以下「JPX」といいます。)の知的財産であり、指数の算出、指数値の公表、利用などTOPIX等に関するすべての権利・ノウハウおよびTOPIX等に係る標章または商標に関するすべての権利はJPXが有します。JPXは、TOPIX等の指数値の算出または公表の誤謬、遅延または中断に対し、責任を負いません。
私たちは物価連動性の高い銘柄への投資を増加させることで、物価上昇に対応してきましたが、2022年に入り、金融政策の転換が加速するという懸念が高まり、期待値の高い成長株の多い新興企業の売りが加速しました。私たちのポートフォリオは成長企業が多くを占めます。そうした企業の多くが、新興市場の急落に引きずられて株価を下げ、基準価額の下落の要因となりました。そこにロシアによるウクライナ侵攻で資源価格が急騰し、株式市場の動きをさらに助長することになりました。
売買金額の増加に見られるように、私たちは2022年に入ってからポートフォリオの入れ替えをさらに加速し、物価上昇や金利上昇が業績にプラスに寄与する企業群への投資をさらに増加させています。その結果、これまでよりも物価上昇や金利上昇への悪影響を受けにくいポートフォリオとなったと考えており、足元で運用パフォーマンスも改善しつつあります。
※約定ベースです。※外国株式の売買金額は円換算しています。
次の展開ですが、物価上昇、金利上昇となると、需要が堅調であるかどうかが問題となります。景気の実態を見出すためには、常日頃から申し上げていますとおり、多くの企業との対話が必要だと信じております。まるごとひふみ2周年記念の際には、皆様により良いご報告が出来るように引き続き調査運用に全力を尽くしてまいります。どうぞよろしくお願い申し上げます。
いつもまるごとひふみをご愛顧くださいまして誠にありがとうございます。
ひふみワールドマザーファンドは、プラスのリターンでこの1年間の運用を終えることができました。これまでの市場動向ですが、2021年は、新型コロナウイルス(以下、新型コロナ)対応で打ち出した追加財政支援策やワクチン接種の進展による欧米各国の経済活動再開期待から、世界の主要株式市場は上昇しました。途中、デルタ株感染者が急増し低迷する時期もありましたが、一巡後は経済活動再開期待が下支えとなりました。一方、新型コロナにより各所で労働者不足が深刻化しました。特に物流業界への影響は甚大となり、いわゆるサプライチェーン問題、物流停滞が各所で起こりました。原油価格の上昇もあり、米国CPI(消費者物価指数)が急上昇し、インフレ警戒感が高まりました。また、ロシアによるウクライナ侵攻により、地政学リスクが急速に高まり、世界の株式市場は大きく調整しました。
出所:Bloombergの情報を基にレオス・キャピタルワークス作成
※米国株指数はS&P500種指数、欧州株指数はMSCI Europe Index、中国株指数は中国上海総合指数を使用しており、それぞれ円換算したうえで、2021年3月29日の指数値を100として指数化しています。
※MSCI Europe IndexはMSCI Inc. が開発した指数です。同指数に関する著作権、知的財産権その他一切の権利はMSCI Inc. に帰属します。
※各指数に関する著作権、知的財産権その他一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
2022年は、原油価格の上昇、インフレ懸念の拡大、労働者不足、サプライチェーン問題、湾岸地域の不安定化、ウクライナ侵攻など不透明要因が噴出しています。株式投資で最も重要な企業業績動向にも不透明感が高まり、また、世界的な金融緩和は終わりを告げ、急速に正常化されつつあります。金融緩和で支えられ、拡大したバリュエーションは相当な値幅とスピードで調整されています。また、ロシアによるウクライナ侵攻により1990年以降に拡大した欧米を中心としたグローバリゼーションが終焉し、中国・ロシアを中心としたブロック経済へと進行していく可能性も考えられます。
数多くのネガティブニュースが市場を覆っていますが、このような環境もいずれ変化します。外部環境の変化に迅速に対応しつつ、収益を上げ、世界の人々の生活環境を良くする企業を保有し、皆様からお預かりした大切なご資産を守りながらふやす投資・運用への挑戦を継続します。私たちは世界中の企業を調査し、世界の政治、経済情勢等を分析しています。外部環境がどのようになろうとも、優秀でガッツのある経営者に率いられた勢いのある企業は、その影響を最小限に抑えて成長します。そして、そのような成長企業に長期に投資することが、投資成果を上げるもっとも有効な手段だと考えます。これからもまるごとひふみをよろしくお願いいたします。
いつもまるごとひふみをご愛顧くださいまして誠にありがとうございます。
ひふみグローバル債券マザーファンドは、株式との逆相関性と収益性を両立することを目指すアクティブ債券ファンドとして昨年3月末にスタートいたしました。ファンドの年間リターンは、先進国国債の大幅な金利上昇によりマイナスとなりました。
出所: Bloombergの情報を基にレオス・キャピタルワークス作成
運用面では、米国の強いファンダメンタルに比べ、短期金利が低すぎると考えたことから、満期の長い債券を多めに保有しつつ、現金も一定割合で保有することで、デュレーションの調整を行ないました。利上げ織込みの加速により中短期金利が大きく上昇したため、その年限の債券の保有割合が低かったことは、年間を通じてファンドの下落を抑制する結果になりました。また、欧州国債、日本国債の保有を比較的抑えていたことも奏功しました。例外的に為替ヘッジなしで保有している中国元建て債券は、ファンドのパフォーマンスにプラスに寄与しました。
社債等の国債以外の債券への投資は現時点で限定的にとどめておりますが、グリーンボンドの組み入れ等のポートフォリオの多様化を進めております。中央銀行のバランスシート縮小の過程で、国債と比べて金利がより上昇する局面では社債等の保有比率を高める方針です。通貨、銘柄アロケーションはヘッジコストを考慮したうえで行なっております。今後、ヘッジコストの拡大が見込まれるため、ヘッジコストには一層注視する必要があると考えています。
債券運用体制としては、クレジット分析の機能を強化に努めており、株式アナリストとの連携体制の構築ともあわせて、社債投資の拡大に備えております。株式アナリストとの連携はマクロ分析でも有効に機能しています。企業への取材による知見、アイデアが市場動向に対して先見性を持つケースは多々あり、当社の運用チームならではの強みと認識しています。引き続き全力で運用に尽力してまいります。どうぞよろしくお願いいたします。