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自分らしく、安心して人生をおくるための「エンディングノート」

本連載は、なかなか馴染みはないけれど知っておいて損はしない、 相続や資産活用についてお伝えする連載です。いざという時に家族の間で慌てたり、争ったりすることがないよう、現役世代の方もぜひ参考にしていただきたいと思います!前回の記事はこちら

前回の記事では遺言書について解説しましたが、今回はエンディングノートについて解説をしたいと思います。



田村 啓樹(タムラ ヒロキ)

オンライン証券で勤務した後、2021年11月にレオス・キャピタルワークス入社。現在はSBIグローバルアセットマネジメント株式会社のグループ会社で金融教育事業に取り組む。フィナップ株式会社 代表取締役社長、ファイナンシャルプランナー。

エンディングノートとは?

近年、終活における重要なツールとして「エンディングノート」に注目が集まっています。一方でエンディングノートという言葉は聞いたことがあるが、「遺言書との違いが分からない」「何をどのように書いたら良いか分からない」という声もよく耳にします。

まず大前提として、エンディングノートには遺言書のような法的拘束力はありません。あくまで自分の情報や希望を家族に伝えたり、自分の考えや気持ちを整理したりするためのツールと考えてください。
そして大切なのは、エンディングノートは“人生を締めくくる最期のための準備”ではなく、自分らしく、安心して人生をおくるための羅針盤のようなものだということです。

だからこそ、エンディングノートの内容はライフステージの変化によって変わり得ますし、それで良いのです。完璧を目指す必要もありません。決まった形式もないので、自分が必要だと思った内容を自由に書いていけば問題ありません。そして、書いた内容は必ずしも誰かに見せたり、チェックしてもらう必要はないのです。もちろん、場合によっては家族と相談しながら書いていってもよいでしょう。
最終的に自分がいなくなった後、家族や身近な人たちが手にすることで、様々な手続きや気持ちの整理をしてもらうことに繋がるとよいのではないでしょうか。

エンディングノートに書くべきこととは?

そうは言っても、全く何の指針もないと手をつけられないという方もいらっしゃると思います。その場合は、大きく次のようなカテゴリーに分けて書いてみてはいかがでしょうか。

■自分自身に関すること

  • 医療や治療の方針に関する希望
  • 延命治療の有無
  • 介護の希望、施設について

突然の病気や認知症などで意思疎通が難しくなった場合に備えて自分の希望を書いておくことで、自分の考えが整理できるほか、周囲の方々の負担を減らすことにも繋がります。

■ものに関すること

  • 金融機関やクレジットカードの引き落とし明細
  • 電気、ガス、水道、携帯電話などの契約情報
  • デジタル資産に関する情報
万が一のときに遺された家族が意外と困るのが、インフラの切り替えやサブスクの解約です。そうした情報が分かる引き落とし明細や契約情報の一覧があると、負担を大きく減らすことができます。また、SNSアカウントやデバイスに保存している写真・データ、ネットバンキングなど、デジタルな情報にアクセスするためのIDやパスワードも必要に応じてまとめておくと良いと思います。

■お金に関すること
  • 預貯金、有価証券、保険、年金、不動産などの資産に関する情報
  • 借入金など債務に関する情報
  • 貸付金や連帯保証に関すること

自分の資産や負債を把握しておくことで、自分自身の棚卸になるほか、相続時のトラブルを防止することにもつながります。

■家族・想いに関すること
  • 葬儀の希望
  • お墓に関する情報
  • 家系図
  • 万が一のときに、連絡したい親戚や友人、知人のリストおよび連絡先
  • 家族へのメッセージ
など


筆者の経験からも、葬儀やお墓のこと、親戚や仲の良い友人の連絡先が分かると、葬儀の準備という特に慌ただしいタイミングで家族の負担を減らすことができます。家族には家のことや交友関係について気恥ずかしくて詳しく話していないという方もいらっしゃると思いますが、そのような方こそエンディングノートを活用してみてはいかがでしょうか。

エンディングノートは完璧を目指さなくて良い

エンディングノートを書きたいけど上手く書けないという方の中には「最初から最後まで完璧に書かなければいけない」と思い込んでいる方が多くいらっしゃいます。しかし、繰り返しになりますが、エンディングノートは完璧を目指す必要はありません。そもそも、誰もが書かなければいけないものではなく、必要だと思う人が必要だと思うことを書けばよいのです。形式も、お気に入りの手帳に書くのでも、チラシの裏に書くのでも、PCに打ち込んで印刷するのでも、どんな形でも構いません。
何度書き足しても、書き直しても構わないので、ぜひ気軽な気持ちで取り組んでみてはいかがでしょうか。

次回は、気になる相続税の仕組みについてお話します。

※本記事は、一般的な解説であり、個別の法律相談ではありません。
具体的な事案については専門家(弁護士・司法書士等)にご相談ください。

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