ニュースリリース

臨時レポート:ひふみワールドの基準価額下落について

いつもひふみワールドをご愛顧いただきありがとうございます。

本日のひふみワールドの基準価額が前日比-501円(-5.05%)と大きく下落し、お客様にはご心配をおかけしております。このたび、臨時レポートを発行いたしましたのでどうぞご覧ください。

運用責任者 湯浅光裕より

ひふみワールドの基準価額の下落について多くの方にご心配をおかけ致しております。

新型コロナウイルスが存在することを中国が認めてからおよそ2ヶ月、新規感染者数は中国では2月中旬をピークに沈静化しつつある一方で、半月ほどのタイムラグを経て米国および欧州で急速に拡大しつつあり、3月8日、イタリアは北部など14県を4月3日まで封鎖しました。米国は、イラン、中国の入国者に対し入国制限を課しているほか、韓国、日本、イタリアからの入国者に対しても入国に関して注視しています。

米FRB(連邦準備理事会)は3月4日、FFレート(フェデラルファンドレート:短期金利の誘導目標)を1.50%~1.75%から1.00%~1.25%へと0.5%の緊急利下げを行い、新型コロナウイルスによる米国経済への影響を緩和する金融措置を取りましたが、今のところ市場は下げ止まる気配が薄い状況です。さらに為替市場では、株式から債券へ資金が大量に流れたことによる金利急低下、FRBによる更なる短期金利の低目誘導の可能性、リスクオフの待機通貨として安全資産の一つ円へ資金が流れ込んだ結果、急激な円高が進行、また、企業資金調達に不透明感が広がったアジア市場もパニック売りとなりました。

そのような中、ひふみワールドの基準価額は、保有株式の株価の下落、急激な円高進行から先週末と比較し5.05%下落し、9,426円となりました。

ひふみワールドは、米国企業の成長性が最も高いと考え、米国中心のポートフォリオになっています。しかし、一本調子に上昇し、バリュエーション拡大を続ける米国市場に懸念があったため、昨年12月から買いスタンスを抑制し、慎重な運用に臨んでいました。

そこへ、新型コロナウイルス感染が拡大し、欧米各国まで伝播し始めたことから、お客様からご入金いただく現金はそのままで保有し、ポートフォリオの中身を少しずつ調整する戦略をとっています。

今回の新型コロナウイルスの世界経済への影響は過去の大きな調整とは違います。ITバブル時、SARS、リーマンショック、東日本大震災時など過去の暴落と比較し、参考になるところ、ならないところそれぞれあります。
共通して言えるのは事象発現後100日程度、上下はあるものの下落を続けるところです。ただ、これは市場全体の動向を示す指標や指数であるインデックスでの現象なので個別銘柄全てに当てはまることではありませんが、100日後にあたる7月中旬までの時間をかけてその後の世界経済を想像したポートフォリオ構築ができると考え、慎重に運用してまいります。

わたしたちは10名のアナリストと1名のストラテジスト、合わせて11名の運用本部チームが一丸となり、引続き、冷静に調査、投資・運用をしています。

過去例で参考になることは、どの局面でも人々は立ち上がり、また前を見て歩みを始めることです。株式市場の調整の始まりは、それまでの急速な経済膨張であったり、システミックリスク(金融決済システムの不調)の発現であったり、時の政権によるいくつかの失政や天災であるところに、ウイルス感染、パンデミックが明確に不確定要素として加わったことを認識する必要があります。新型コロナウイルスもいずれインフルエンザのような流行性感冒の一つとなり、治療薬もできるのかもしれません。そのときにはまた新たなウイルスの発生もあることを認識すると同時に、インフルエンザ対応のようなさまざまな対応策を世界各国で考えていかなければなりません。

今後も調査、投資・運用を真摯に続け、ポートフォリオの中身を少しずつ変えながら、現在保有する現金(3月9日時点でポートフォリオの約26%)を有効に使い、将来の基準価額上昇に寄与となるよう努めてまいります。

なお、このような緊急レポートは、当該投資信託の基準価額が前日比で5.0%以上下落した場合にご報告することとなっております。
前回2月25日のレポートではそこまでの下落には至りませんでしたが、わたしたちの考え、行動をみなさまにお伝えすることでご心配、ご不安のお気持ちに少しでも寄り添えればと思い発行いたしました。併せてご覧いただけると幸いです。

今後もひふみワールドを長期目線で見ていただき、わたしたちのセミナー等でお会いできるのを楽しみにしています。