新興市場の急落について「ひふみ投信」運用責任者からのメッセージ
いつもひふみ投信をご愛顧いただきありがとうございます。
当ファンドは、原則、一日の基準価額の騰落率が5%以上下落した時に臨時レポートをお出ししております。本日は5%までは下がっていませんが、年初からの下落が続いているため、不安を感じていらっしゃるお客様へ、現在の状況と私たちの考え方をお伝えすることで不安の軽減につながればと思い、レポートを発行いたしましたのでご覧ください。
運用責任者 藤野英人より
2022年に入り不安定な相場環境となっています。年初から1月19日までのひふみ投信は-9.09%ですが、東証株価指数(配当込み)は-3.64%、マザーズ指数は-18.22%、JASDAQ指数は-8.65%となっています。ひふみ投信は成長企業への投資が多く存在するため、東証の一般市場と新興市場の間くらいのリターンとなり、お客様にはご心配をおかけしております。
当ファンドは、原則、一日の基準価額の騰落率が5%以上下落した時に臨時レポートをお出ししております。本日は5%までは下がっていませんが、年初からの下落が続いているため、不安を感じていらっしゃるお客様へ、現在の状況と私たちの考え方をお伝えすることで不安の軽減につながればと思い、レポートを発行いたしました。
このような新興市場の急落状態になった背景は、米国金融政策の転換により、金融引き締めフェーズへと転換したためです。このフェーズに入ると、一般に業績成長期待で先行して買われている銘柄の需給が反転します。その結果、マザーズ指数とJASDAQ指数が大きく下落しました。東証が算出する株価指数の中に小型株指数がありますが、この指数のリターンは同期間で-6.24%で、これらも成長性が高い銘柄が多く存在しているため大きく下落しました。
昨年、私たちは割安株への投資を増加させてきました。増加させてきたため、新興市場のような下落は回避できているとも考えています。成長性の高い企業への投資は継続していますが、現在は慎重な姿勢です。しかし、割安株への投資を一気に増やさず徐々に増加させてきた理由は、景気敏感株に代表される割安株は経験的にその寿命が短いことが多く、かつ、短期的な対応になることで既存ポートフォリオの銘柄への投資を減らすことになり株式需給を悪化させてしまうことを懸念したためです。しかし、それでも割安株への投資を増やした背景は、金融引き締めフェーズに入ったことや半導体不足に代表される物価上昇に対応する必要があると考えたためです。少なくとも、今年前半はこの傾向が色濃い相場になる可能性があると考えています。
割安株にも色々とあります。私たちが一番良いと考える割安株は、「割安株だと思っていたものが成長株へ変貌する企業」です。現在、半導体関連株と聞くと成長株だと考える方が多いのですが、前回の金融危機(リーマンショック)後は最も割安なセクターのひとつでした。2016年から半導体セクターに技術革新が起きたため、私たちも成長企業と認識し、投資を積極的に行なってきました。このようなものがいつの相場でも登場します。では、今から割安株から成長株へシフトしていく企業がどこかと考えると、やはりチャレンジしている会社ではないでしょうか。現状、大きく変化しそうなセクターは輸送用機器だと考えています。電動化の波が日本企業にもやってきていますが、日本企業が考える電動車で世界を驚かせることが出来るかどうかが注目点です。また、割安株になった企業の経営体制の刷新により、新生企業として蘇るケースも出てきました。このような企業群への投資は、これまで以上に積極的に行なっています。
国際市場と比較しても日本株は割安だと考えられます。今回の金融政策の調整が国際市場の需給と連動したのであれば、調整後の日本株は割安株相場の主役になる可能性もあります。その時に受け皿となる企業への投資はしっかりと行なっていけると考えています。
この調査・投資活動はある程度時間を要していますが、過去にもあったように、私たちは再びひふみ投信が上昇フェーズへ移行できるものと信じています。皆様に支えられて企業の調査活動が可能となっており、いつもそのことに感謝をしつつ、引き続き全力で運用してまいります。どうぞよろしくお願いいたします。
レオス・キャピタルワークス株式会社
代表取締役会長兼社長
最高投資責任者
藤野 英人
※東証株価指数、東証マザーズ指数、JASDAQ指数、東証小型株指数は、株式会社東京証券取引所が算出、公表する株価指数です。これらの指数に関する著作権、知的財産権その他一切の権利は株式会社東京証券取引所に帰属します。