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為替ヘッジって何ですか? 【教えて!福室先生 #4】

債券運用に長い間関わってきた債券のプロでありレオスの債券戦略部長である福室に、債券はなんとなく知ってはいるけど実際に運用はしたことがないレオス社員友利が、債券投資についての疑問点をぶつけていきます。今回のコラムは、債券の仕組みなど基本的なことは理解しつつも債券ファンドのことはあまり身近でないという方の理解を深めてまいります。

<プロフィール>
福室 光生(ふくむろ みつお)
1995年、欧州系証券会社で金融キャリアをスタート。その後、JPモルガン証券、UBS証券にて債券トレーディングに従事。2020年、レオス・キャピタルワークス入社。同年、債券戦略部長に就任。国債トレーディングの経験が長く、現物からデリバティブまで債券運用に精通している。

<プロフィール>
友利 駿介(ともり しゅんすけ)
2016年に国内大手資産運用会社に入社し、2019年からレオス・キャピタルワークスへ転職。現在は営業本部付。「投資と上手に付き合う方法」好評連載中です!

「教えて!福室先生」第4回です!今回も福室先生に色々と質問をして、債券運用の難しいところ、分かりにくいところをなるべくわかりやすく皆様にお伝えできたらと思います!

為替ヘッジとは?

友利:
福室先生、第4回もよろしくお願いします。今回はぜひ「為替ヘッジ」についてお伺いしたいと思います。「ひふみらいと」の月次レポートにも「為替ヘッジ比率」が載ってますよね。

ひふみのあゆみ2021年8月度号より

※「為替ヘッジ比率」は、外貨建資産の時価総額に対する為替予約評価額の比率です。売買等の計上タイミングや市況動向により比率が100%を超える場合があります。

今回はまず、そもそも、「為替ヘッジ」とはどのようなものか教えていただけないでしょうか。

福室:
よろしくお願いします。為替ヘッジは、為替予約(為替フォワード)という金融取引を用いて、為替リスクを小さく抑えようとすることです。リスクを回避することをリスクヘッジと言いますが、為替リスクをヘッジすることを為替ヘッジと呼んでいるわけです。

友利:
為替リスクは日本円と米ドルやユーロなどの外国通貨の為替相場の変動によるリスクのことですよね。まずは為替が変動すると投資した債券にどんな影響があるのか教えてください。

福室:
外国の株式や債券に投資をするときは、その銘柄自体の値動きに加えて、為替の動きもリターンに影響します。
外国の通貨の価値が日本円に対して低くなると、外貨建て資産の日本円の評価金額は低下するので、円高の場合は評価損が生じます。一方で、外国の通貨の価値が日本円に対して高くなると、外貨建て資産の日本円の評価金額は上昇するので、円安の場合は評価益が生じることになります。

為替変動のイメージ


例えば、米国の債券に投資をする場合を考えてみましょう。
為替相場を1ドル100円のときに100万ドルでドル建ての米国の債券を購入した後、円高になるパターンと円安になるパターンを見ていきます。
まず円高になるパターンです。1ドル100円の場合の日本円での債券の評価金額は、100万円×100円=1億円です。それが1ドル80円と円高になったときには、日本円での評価金額は、100万円×80円=8000万円になってしまいます。

友利:
日本円での評価金額が2000万円低くなってしまっているのは円高によって2000万円分の損失が生じてしまったということですね。

福室:
逆に、1ドル110円の円安になるパターンを見てみると、日本円の評価金額は100万円×110円=1億1000万円と1000万円分の利益が出ることになります。

友利:
債券の価格変動に加えて為替レートによって損失や利益が生まれる場合があるので、外国の資産に投資をするときは、為替相場も重要ですね。為替ヘッジができれば、この為替相場の変動によるリスクを小さく抑えられるということですね。
次回は、為替ヘッジはどのような仕組みなのかお伺いしていきたいと思います。

用語MEMO

・為替リスク  外貨建て資産に投資をする際に、日本円と外国の通貨の間の為替相場の変動によって、日本円の評価金額が変動するリスク。為替変動リスクとも呼ばれる。

・為替ヘッジ  外貨建て資産への投資において、為替リスクを抑制すること。

・外貨建て   金融商品の売買や配当・利息・償還金等の支払いなどが日本円以外の外国の通貨で行なわれること。

・円高     外国の通貨に対して日本円の価値が高まること。

・円安     外国の通貨に対して日本円の価値が低くなること。

※当記事のコメント等は、掲載時点での個人の見解を示すものであり、市場動向や個別銘柄の将来の結果を保証するものではありません。ならびに、当社が運用する投資信託への組み入れ等をお約束するものではなく、また、金融商品等の売却・購入等の行為の推奨を目的とするものではありません。

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