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いつ買う?いつ売る? 「投資のタイミング」を考える【投資と上手に付き合う方法 #1】

投資運用会社レオス・キャピタルワークスの社員である友利が、SNSなど皆様の身近なところで目にする投資信託に関する話題から、投資と上手に付き合う方法を考えていく連載です。連載を通じて、皆様の投資や投資信託に関する理解が深まることを目指しています!

友利

<プロフィール>
友利 駿介(ともり しゅんすけ)
沖縄県宜野湾市出身。
大学卒業後、2016年から国内大手資産運用会社で勤務した後、レオスやひふみの理念に共感し、2019年レオスへ転職。レオスでは経営企画を経験した後、営業本部に異動し、現在はダイレクト営業部、パートナー営業部、未来事業室を兼務。日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)。


はじめまして。レオス・キャピタルワークスの友利と申します。
今日から、「投資と上手に付き合う方法」という連載をさせていただくことになりました。皆様が投資と上手に付き合っていけるお手伝いができるように頑張ります!

理想の投資ができたらいいのに

初回である今回は、「投資のタイミング」というテーマについて語ってみたいと思います。

投資関連のTwitterやYouTubeのコメントを見ていると、「いつ買えばいい?」とか、「もう売った方がいい?」といった投稿をよく目にします。
実は、レオスは立場上、そういった疑問に個別にお答えすることはできません。
ただ、そういった疑問をお持ちになるのはよく分かります。

市場に変動はつきもの。上がるときもあれば下がるときもあります。
上がるときだけ持っておいて、下がる前に売ることができれば理想ですよね。

例えば、ひふみ投信の運用開始日である2008年10月1日に100万円分ひふみ投信を購入すると、2021年1月末には、資産は604万円とおよそ6倍に成長します。
6倍でも個人的には十分だと思うんですが、同じく100万円を元手にひふみ投信が上昇する月だけ投資をして、下落する月はその前にすべて売却するという理想の投資をした場合、資産はなんと3,680万円とおよそ37倍に成長します。
なお、投資信託で利益が出たときにかかる税金や受け渡しにかかる日数等を考慮していない簡易的な計算です。



理想の投資ができていたら資産はおよそ37倍

※評価金額は月末の基準価額で算出。税金や受渡期間等は考慮していません。
※過去の運用実績によるシミュレーションです。

未来予知って無理じゃない?

資産が約37倍になるなんてまさに夢のような話ですが、この理想の投資ができるのは、未来予知ができて上がる月と下がる月が事前に分かる人だけなんですよね。
そうでなければ、上がるときだけ買って、下がるときは売るなんてことはできません。
「理想の投資ができたらいいのに」と思うのは、競馬でいつも勝つ馬を予知できれば億万長者になれるのに、と思っているのと同じことなんです。
未来のことをずっと当て続けられる確率は、0%と言ってもよいですよね。

2020年3月にコロナショックとよばれる市場の急落がありましたが、これが予想できた人ってどれくらいいたんでしょう。
そして、その後、市場が上昇し続け、2021年2月には日経平均株価が30年ぶりの高値を付けることも事前に予想できていた人はどれくらいいるのでしょうか?
ちなみに、私は市場が急落したときも、日経平均株価が25,000円を超えたときも、どちらもビックリしてしまいました。
少なくとも私には理想の投資は無理そうです(笑)

※余談ですが、当社の会長兼社長で最高投資責任者でもある藤野はコロナショックを予想できていた?みたいです。藤野とレオスのトレーダーがコロナショック前にどのような対応したのかを詳しく書いた「新米女性トレーダー、コロナショック相場の洗礼/佐々木 志保」という記事がひふみラボnoteで公開されていますのでぜひ読んでみてください。常に市場のことを考えているプロの世界の話ですね。



あなたは市場の動きを予想できた?
 

※日経平均プロフィルの掲載情報を基にレオス・キャピタルワークスが作成。

安いときに買って高いときに売るってどう?


未来予知ができないことは当たり前ですが、「高いときに売って安いときに買う」のはどうでしょう。
つまり、投資信託の値段である基準価額が高すぎてもう上がらなさそうと感じたら売って、安すぎてこれから上がりそうと感じたら買うということですね。
これなら誰でもできそうです。

2020年、ひふみ投信が最も購入された月は、コロナショックの起きた3月でした。
ひふみ投信は、ファンドマネージャー(どう運用するかを決める人だと思ってください。)の藤野が事前にコロナショックを予想して、日経平均株価の下落に比べ、なんとか基準価額の下落を抑えていたのですが、それでも3月16日の基準価額は37,767円と、2019年末の50,077円からおよそ25%下落しました。
そこまで下がると、「安い!」と思って買う方が多かったのかもしれません。

一方、2020年でひふみ投信が最も売却された月は、6月でした。
コロナショック後は、市場の回復とともにひふみ投信の基準価額も上昇を続け、6月2日には5万円を回復し、26日には51,304円と、3月16日からはおよそ36%も上昇しました。
こうなると、「高い!」と感じて売る方が増えたようですね。



安いときに買って高いときに売る?



先ほどの基準価額の図をもう一度よく見てみましょう。




基準価額が5万円を超えた6月はひふみ投信の売却が多かったのですが、基準価額はその後も上昇を続けました。
ひふみ投信の基準価額は2020年12月30日時点で60,351円と、2020年6月26日の51,304円からおよそ18%も上昇しました。





ひふみ投信を2020年の3月に買って6月に売却した方も利益を出せたのですが、もし6月に売却しなければ、もっと資産が増えていたということに。
もちろん、6月に売ったときの利益で満足されている方もいらっしゃると思いますが、もっと持っておけばよかったと後悔されている方もいらっしゃるかもしれません。

基準価額が上昇を続けているからといって、その後も基準価額が上昇を続けないとは限りません。
また、コロナショックでは3月で下げ止まりましたが、もっと下がると思ってひふみ投信を買いそびれた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
高すぎるとき、安すぎるときを当てるのもやっぱり難しそうです。

売らなきゃよかった?

※評価金額は日次の基準価額で算出。税金や受渡期間等は考慮していません。
※過去の運用実績によるシミュレーションです。

上の図は、
① 2008年10月1日に100万円分ひふみ投信を購入してずっと保有していた場合
② 基準価額が運用開始時から、または直近売却した時からの最高値に比べ20%下がったら100万円買う、直近買ったときの基準価額に比べて30%上がったら保有口数すべて売る

という投資行動を、100万円を元手に繰り返した場合の資産額の推移です。
売り買いの基準になる比率は2020年のひふみ投信の売り買いの傾向を参考に設定してみました。
図の水色の部分は、②の「下がったら買う、上がったら売る」場合にひふみ投信を保有していた期間になります。

この記事の冒頭の「理想の投資」と比較すると、①の100万円がおよそ604万円になるのはなんだかスケールが小さいと感じたかもしれませんが、②の20%下がったら買う、30%上がったら売るという投資行動を繰り返すと、資産額はおよそ222万円にしかなっていません。

図の中の黒色の部分が、資産額の差の推移を表したものです。
黒色の部分が大きくなるのは、ひふみ投信を売ってしまった後です。
売却後もひふみ投信がさらに上昇を続けたために、この差が生まれたということです。

基準価額が下がったときに買って上がったところで売却をすると、確実に儲かるような気はしますが、売らずに持っていた場合と比べて合計で400万円近くも差がついてしまうとどうでしょう。
「売らなきゃよかった」と思ってしまうかもしれません。

もちろん、理想の投資との比較でみたように、売却しない方が絶対に資産額が大きくなるということではありません。
売買のタイミングや基準価額の値動きによっては、売買を繰り返した方が資産額は大きくなるということも考えられます。
あくまでも今回のシミュレーションの場合は、売却しない方が資産額は大きくなったということですので、一つのご参考としてください。

基準価額が変動しても投資信託の運用は変わらない

そもそも、いくつもある投資先の中からある投資信託を選ぶとき、何かその投資信託を買いたい理由があると思います。
私が投資信託を選ぶときは、運用スタッフが信頼できるとか、運用の考え方に納得したとか、そういった理由が決め手になることが多いんですが、皆様はどうでしょうか?

少なくとも、当社の投資信託は基準価額が下がったときも上がったときも、ほとんど同じ運用スタッフ、同じ運用方針、同じ運用哲学です。

基準価額は日々変動しますし、明日上がるのか下がるのかは誰にも分かりません。
ただ、基準価額が上がっても下がっても、投資信託の運用自体は変わりません。
なぜその投資信託に投資をしようと思ったかの理由を考えてみて、その理由が失われていたら購入をやめる、または売却する。
そうでなければ購入する、または保有を継続するという考え方でいると、毎日売るタイミングや買うタイミングで迷っているより、もっと気楽に投資できそうですよね。

おわりに

長くなりましたが、投資のタイミングって難しいよねという話でした。こんな記事を書きながら、「こういう感じで買って、こういう感じで売るといいんじゃない?」という話も実はあるんですが、それはまた別の記事で語ろうと思います。次回以降の記事もぜひご覧ください。

※当記事のコメントは、個人の見解であり、市場動向や個別銘柄の将来の結果をお約束するものではありません。ならびに、当社が運用する投資信託への組み入れ等をお約束するものではなく、また、金融商品等の売却・購入等の行為の推奨を目的とするものではありません。

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