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未来が楽しみになる! 女流棋士に聞いた将棋と投資(前編)

2歳の第一子を育てながら働く営業部の井波が、子どもにお金や投資について、何をどうやって伝えていきたいか、悩みながら考えていく体験談です。今回は、女流棋士で個人投資家でもある日本女子プロ将棋協会の中倉宏美さんと島井咲緒里さんにお話を伺いました。中倉さんは中学生の頃に投資を始め、島井さんは約2年前に投資を始めたそうです。私と同じく子育て中のママさんパパさんが、これから投資を始めるうえで、また子どもにお金について伝え一緒に考える際のヒントになることを目指して、このコラムを書いていきたいと思います。

<プロフィール>
井波 彩(いなみ あや)
東京都世田谷区出身。
大学卒業後、2013年からメガバンクで勤務した後、レオスやひふみの理念に共感し、2018年レオスへ転職。レオスでは投信計理を経験した後、営業本部に異動し、現在は営業部にてひふみシリーズの直接販売のお客様に向けたコンテンツ作りや、イベント運営を担当。趣味はテニスと読書。

この記事のポイント

  • 女流棋士で個人投資家であるお二人とのご縁
  • “女性に将棋を楽しんでもらいたい“
  • 中学生で債券に投資
  • 子どもの頃に投資を始めるメリット

女流棋士で個人投資家であるお二人とのご縁

皆様こんにちは。営業部の井波です。

私たちレオス・キャピタルワークスは今年、日本女子プロ将棋協会(以下、LPSA)が主催する第15回女子アマ王位戦「ひふみ杯」に特別協賛しています。女子アマ王位戦は、将棋の女性アマチュア選手ナンバーワンを決める大会として、これまで多数の女流棋士を輩出してきました。
中倉さんはLPSAの代表理事、島井さんは業務執行理事として将棋の普及活動に取り組みながら、女流棋士として第一線で活躍されています。
今回、大会の主催者と協賛社として大会運営をご一緒する中で、「中倉さんと島井さんが金融商品に投資をしている」ことを知り、インタビューさせていただきました。

中倉さんは中学生の時に債券へ投資をして以来、様々な金融商品に投資をしてきたというベテラン個人投資家です。
島井さんは2年ほど前につみたてNISAで投資を始めたそうです。元々は投資やお金に興味がなく、「投資は損するもの」というイメージを持っていたそうですが、中倉さんの話をきっかけに、つみたて投資を始めたとのこと。女流棋士として活躍しつつ、将棋の普及活動にも力を入れているという多忙な生活の中で、どうして投資を始めることができたのでしょうか。
今回はダイヤモンド囲碁サロン(東京都千代田区)にて、お二人の本業である将棋の、盤と駒を前にお話しを伺いました。

左:島井咲緒里さん 右:中倉宏美さん

“女性に将棋を楽しんでもらいたい”

今日は偶然ですが、将棋の日(注:取材日は11月17日)です。昔、江戸城で将棋が行われた日で、今日も色んなところで将棋のイベントをやっているかもしれません。

将棋は日本独自のゲームで、世界中の様々な国で形を変えた似たゲームがあるんですよ。例えば西洋ではチェスですね。将棋は取った駒も使えますが、チェスは取った駒は使えないと違いもあります。

インタビューの冒頭で、LPSAの活動について伺いました。

中倉さん:
女性が将棋を楽しめる大会を開催して、女性に将棋をもっと楽しんでもらいたい、と思っています。私たちLPSAは活動を始めて15年目になります。レオスさんに協賛していただいた女子アマ王位戦「ひふみ杯」は12月18日に全国大会を控えています。9月から開催された地区大会では多くの女性に将棋を楽しんでいただきました。
それ以外にも、5人一組で出場する団体戦も長年開催しています。今年は30チーム・150名が参加してくださって、こんなに多くの女性がチームを組んで一堂に会し、和気あいあいとした雰囲気の中で将棋を楽しんでくださったことに感動しました。私たちが子どもの頃は将棋の大会に出るのはほとんど男の人ばかりで、女性っていうだけで目立ちましたので。

島井さん:
団体戦に出場したチームの中には、宮崎県から参加したチームもありました。リーダーの方が、10年前に東京の仲間と組んでこの団体戦に参加したことがあったそうで、地元の宮崎に戻ってから自分で将棋の大会を開催したり、周りの人に将棋を教えて地道に将棋仲間を増やしていったそうです。そして遂に地元のメンバーだけで5人組を結成できました、と飛行機で上京したのです。長年続けていると、こういう嬉しいことがあるんですね。話しながらちょっと涙が出てきました(笑)


島井さん:
子育て中の女性にも将棋を楽しんでもらいたいと、新たな取り組みを始めています。先日、金沢で開催したひふみ杯の北陸大会では、会場に託児コーナーを用意しました。参加者より反響があり、手ごたえを感じています。

大会に託児コーナーを設置したと聞いて、「子育て中でも、将棋を楽しんでほしい」というLPSAの想いを感じ、ますます将棋を身近に感じることができました。
同時に、このように大会運営の仕方を進化させながら15年間活動してきたんだろうな、と胸が熱くなります。

近年では「観る将」と呼ばれる、自分では将棋を指さずに対局の観戦を楽しむ将棋ファンも増えています。
LPSAの公式YouTubeでは、女流棋士がアマチュアの将棋プレイヤーと対局する『道場破りシリーズ』の配信が好評だそうです!

中学生で債券に投資

ここからはお二人が投資をはじめたきっかけについて伺いました。

中倉さん:
将棋も投資も最初は父に教わりました。私が中学生の頃に、お小遣いからお金を出して、債券を買いました。債券の額面金額に足りない分は父が出して、自分がお小遣いで払った割合だけ利金を受け取っていました。利払い日には、父が紙に手書きで支払いの計算書を作って渡してくれていました。

子どもの頃に投資を始めるメリット

子どもの頃に投資を始めたことを「よかった」と語る中倉さん。どんなことが「よかった」のでしょうか?

中倉さん:
まず、子どものときに投資を始めると、自然と投資を長く続けることができて、長く持っていれば儲かるんだな、という経験ができたのはとてもよかったです。
あと、子どもって少ない金額でも大金に感じることができるので、少しでも利益が出るととても嬉しくて、いつの間にか投資が好きになりました。

このお話しには、思わず感嘆しました。
私たちはお客様に「長期・分散・つみたて」の3つを大事にして投資をしようとお伝えしています。
でも、最初は納得して投資を始めたつもりでも、1週間、1カ月、3カ月…と時間が経つにつれて値動きを気にして不安感が増してしまい、せっかく始めた投資が嫌になって、短い時間で辞めてしまう、というのはよく聞く話です。勿論、自分の考えがあって短期売買をすることは悪いことではないですが、「長く続けよう」と当初思っていたのに、目先の値動きに不安になってしまい中途解約してしまうのは、勿体ないですよね。
中倉さんは、長く続ける、という大人には難しいことを子ども時代に経験していたんです。

中倉さん:
そうやって投資を好きになったので、学生時代に父と一緒に証券会社に行き、証券口座を開設してそこで自分で色々選んで買うようになりました。
大人になってからは個別株とか投資信託に投資対象を広げました。
最近のメインは投資信託で、個別株はご縁があったり、応援したいと思った企業の株を買って長く持っています。

後編では、島井さんが大人になってから投資を始めたときのお話しや、お二人に聞いた将棋と投資の共通点をお伝えします。

撮影場所:ダイヤモンド囲碁サロン(東京都千代田区)
※当記事のコメントは、掲載時点での個人の見解を示すものです。当社が運用する投資信託や金融商品等の売却・購入等の行為の推奨を目的とするものではありません。