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「職業体験学習」を通じて、中学生の未来を応援したい。レオス初の試みをレポートします。

2023年7月、東京都内の区立中学校2年生11名を対象に「職業体験学習」を実施しました。私たちにとっては初めての試みです。
レオスが目指している「ファイナンシャル・インクルージョン」と、「金融教育」は密接につながっています。その本質は、お金の知識を得ることに限りません。働くことや、自分がどう生きたいかということに真剣に向き合うことも金融教育において大切だと考えています。
この度ご縁があって、金融教育の一環として中学生向けの職業体験学習を企画したのは、広報部の桜井です。「学生の皆さんが未来を考えるお手伝いをしたい」という想いからスタートしたこの企画は、息子さんの通う中学校と協力し、2か月の準備期間を経て実現しました。
今回は、2日間にわたって実施した職業体験学習の様子を、桜井がレポートします!

どのような経緯で中学生の皆さんを受け入れることになったのか、職業体験学習の意義や実現までの準備期間については、ひふみラボnoteに掲載いたします。こちらのレポートとあわせて、ぜひご覧ください。
>>>ひふみラボnote「働くことと向き合う。中学生との「職業体験学習」で大切にした「why」の追求」

<中学生の職業体験学習とは>
目的:実際の職場で働きながら、社会やそこで働く人たちから学ばせていただくことで望ましい職業観を育成し、自分の進路について前向きに考えようとする意欲・態度を養う。
(中学校からの事業所への依頼書より引用)

公立中学校では中学2年生が職業体験の対象になることが多いようです。職場体験先には生徒だけで通い、数日間かけて各受け入れ先が準備したプログラムをもとに職業体験をします。

初日は6名の生徒さんが来社、名刺交換からスタート

7月4日(火)、いよいよ職業体験学習の初日を迎えました。
午前10時、受付の電話で生徒さんからオフィス到着の連絡が入ります。電話の声からは緊張した様子がうかがえました。
この日も猛暑でしたが、生徒さんたちは自分たちだけで地下鉄を乗り継ぎ、自宅から約1時間かけてオフィスに来てくれました。学校の規則で、スマホは持てません。クラスメイトとはぐれたり緊急の時は、公衆電話から連絡をとるというルールになっています。

そのような状況で、おそらく初めて訪れるオフィスビルの27階まで無事にたどり着いたことに、私は一安心しました。遠方の会社にはるばるやって来てくれた生徒さんたちのために、2日間頑張ろうという気持ちになりました。

まず始めに、事前に生徒さんたちに配布していた職業体験学習用の名刺を使って、レオスメンバーとの名刺交換を行ないました。皆さん学校で「マナー講座」を受けていたこともあり、丁寧に名刺交換をすることができました!

こちらが1日のプログラムです。
中学生の皆さんに、楽しみながら職業体験してもらえるように考えました。

座学で基礎講座「お金」「投資」ってなに?

会社に来て、一方的な事業・仕事内容の説明から始まるかとおもいきや、講師と参加者みんなで「お金とは?」を考える時間から始まります。
担当するのは、広報部の仲岡です。

近年種類が増えて人気の「グミ」を例に使いながら、お金と社会のつながりを考えました。

・グミを買うことでそのお金は誰に渡っていくのでしょうか?
・グミに関わる、どんな仕事があるのでしょうか?

ひとつのお菓子から広がる世界を考えてもらった後に、私たちレオスの仕事内容は「多くの人からお金(応援する気持ち)を集め、企業に渡すこと。つまり、『応援』を橋渡しすること」だとお伝えしました。

続いて運用本部の渡邉から、「投資とは?」をテーマにお話しました。
「お金」にくらべて「投資」となると、生徒さんにとっては少し難しく感じたかもしれません。そんな緊張した表情の生徒さんたちを前に、渡邉は軽快に話はじめました。

・投資は「推し活」
・社会全体を元気にする応援が「投資」

投資や経済って難しくて怖いもの?自分には関係ない世界なのでは?と思われがちですが、その本質は「好き」や「誰かの夢を応援」することなのです。

渡邉はファンドマネージャーとしてたくさんの会社を見てきています。「日本やアメリカの有名企業の創業ストーリーを調べると、小さなガレージから事業をスタートした例も多くて、面白いですよ」という話になりました。創業者の「夢」や「好きなこと」をガレージで始めて、最初は身近な人たちのささやかな応援を受け、いずれ投資家から資金提供されるようになるとさらに事業が拡大します。また、株式市場に上場すればより円滑な資金調達が可能となり、社会的信用や知名度の向上も期待できます。
企業とは、誰かの応援があってこそ成長できるのですね。

体験型ワークショップ「デザイナーになってパティスリーのチラシをつくろう」

2時間目は、マーケティング部のデザイナーである鈴木が担当です。
事前に生徒さんたちの自己PRシートを読んだ鈴木が、“体験型の何かを提供したい”と、急遽アイディアを出して、実現してくれました。

最初は、マーケティングやデザイナーの仕事についてお話しました。生徒さんには、実際に鈴木がつくったYouTube「お金のまなびば!」のサムネイル画像や、バナー広告などを見てもらいました。それからいよいよワークショップのはじまりです。

課題:チラシづくり
(架空のクライアント)パティスリーを新規オープンすることになった人物
(チラシの内容)新規オープンするお店の告知

キャッチコピー、使う写真、フォントなどを各自で考え、発表します。そして最後に、どのチラシが一番いいかを決めます。アイディアそのものだけではなく、なぜそれが良いと思ったのかをチーム内で話し合うことが大切です。実際には、そうしたことをクライアントに伝えることも、デザイナーの重要な仕事だといいます。

鈴木が普段使っているデザインソフトの画面をプロジェクターに映し出し、あれこれパーツを当てはめながらデザインを考えました。
思わず行ってみたくなるような、パティスリーのチラシが出来上がりました!

左側が1日目の生徒さん達の作品、右側が2日目の作品

体験学習2日目の7月5日(水)は、5名の生徒さんたちが参加してくれました。

初日に参加した生徒の皆さんは、緊張していたのか自分の意見を言うことをためらっている様子だったこともあり、この日は、生徒さんの自己紹介から始めました。部活で野球を頑張っていることや、好きな鉄道、ゲームの話、「推し」のアーティストについて話をすることで生徒さんの表情も和らぎ、緊張がほぐれた様子でした。

「ええやん」で伝える応援の気持ち

2つ目の座学を担当した営業本部 チーフリスナーの仲木の授業テーマは、「株価」です。
一見、中学生には少し難しいテーマですが、仲木のこれまでのアルバイトを含めた仕事経験や、思わずヒヤリとする!?失敗話が面白く、生徒さんたちにとっては良いアイスブレイクになりました。そして日本全国さまざまな起業家を知る仲木は、起業家が考えるモノやサービスを周囲の人たちが「ええやん!」といって応援することの大切さを語りました。
事前に、参加する生徒さんの自己PRシートに隅から隅まで目を通し、熱心にメモをしていた仲木。参加者のハートをガッチリ掴むことができたようです。

そこから、生徒さんたちにとって身近な企業を例に、実際に株価を見ていきます。大切なポイントは、短期で株価を評価しないことです。今回は生徒さんたちが生まれた2009年から、約15年間の株価推移を追いました。株価という数字の向こうには、その企業でがんばる“人”の存在、情熱があります。短期の株価の変動に一喜一憂せず、長い目線でその企業や働く人を「ええやん!」と応援することができると良いと感じました。

レオスメンバーとの会話で、笑顔あふれる社内ツアー

オフィスを回る時はみなさんドキドキしている様子でした。
まずは、運用本部と社長デスクのエリアへ。

運用本部は、投資をするうえで企業調査をするアナリストや投資判断をするファンドマネージャーがいる部署です。海外株のファンドマネージャーである高橋からは、どんな企業を調査しているのか聞きました。

続いて、欧州出張中で不在にしていた社長の藤野のデスクへ移動します。
机の上には、「3,240円の額縁」が飾ってあります。この「3,240円」が何のお金なのかを生徒さんにお話すると、熱心に聞いてくれました。今年創立20周年を迎えたレオスですが、実はこの額縁にとても思い入れがあるのです。気になった方は、こちらの「お金のまなびば!」からぜひご覧ください!
>>>【財産3,000円事件!?】藤野英人のしくじり列伝!<Part1>

不在の藤野に代わり、社長室で中学生の皆さんを迎えた「3240円の額縁」

ここでちょっとしたサプライズとして、生徒さん1名に社長の椅子に座る体験をしていただきました。ドキドキしながら椅子に座ると、その生徒さんは笑顔になり、「経営方針に悩める社長風」といって面白い表情でポーズを披露してくれました。社長室には明るい笑い声が響きます。

次はトレーディング部に移動し、トレーダーの福江に話を聞きます。
生徒さんには事前に、「トレーディング部は秒単位で注文をしているので、例えて言うならeスポーツの最強選手陣みたいな人が集まる部署」と伝えていたので、モニター6画面と、その中に表示される数字やグラフに皆さん興味津々でした。
日によっては凄まじい量の売買をベストな価格で実行しているんですよ、という福江の話に「ほぉぉ」と声を上げて皆さん聞き入っていました。

トレーダーである福江がレオスのメンバーとなった熱いストーリーは、「お金のまなびば!」の動画からご覧ください。
>>>1クリックでお金を動かすトレーダーの仕事って?

経済調査室長の三宅は、生徒さんたちをニコニコ優しい笑顔で迎えました。座っている様子を見るとまるで校長先生のようですが、実はレオスのYouTuberでもあります。「今の経済ってどうなっているの?」という難しい話を、資料を使いながら分かりやすく説明してくれました。
三宅が担当する番組「三宅の目」はこちらからご覧いただけます。
>>>三宅が担当する番組「三宅の目」はこちら

その時、視察のため一時的に訪れた中学校の先生もいらっしゃって、「経済専門家から直接説明を聞けるのは貴重ですね、私ももっとお話を聞きたいくらいです」と言われました。

経済調査室長 ストラテジストの三宅

続くレオス営業部では、野口に「営業の極意」を聞いてみます。
「誰しも人間なので、ちょっと苦手だなと思う人がいると思います。そんな時は仕事以外の話をしてみたりして、相手との共通点を探すなどの工夫をします。営業はコミュニケーションが重要ですが、皆さんの日常生活でも相手の事を知ろうと努力してみたら、苦手な人とも仲良くなれるかもしれませんね」という話に、生徒さんは納得した様子でうなずいていました。

野口の普段の仕事については、こちらからご覧いただけます。
>>>絶妙なチームワーク!投資信託の営業の仕事って?

総務部では、石川が笑顔で迎えてくれました。現在行なっているレオスのオフィスリニューアル工事のことや、法律で定められた文書保管をはじめ、社員のために会社のあらゆることを支えているとお伝えしました。
生徒さんからは、「文書保管で、棚がいっぱいになったらどうするのですか?」「火事になって燃えてしまったら?」といった鋭い質問が出てきました!

紙折り機の実演とレター封入体験

オフィスの見学が終わると、最後はコミュニケーション・センター部のメンバーが準備をしていた体験プログラム「レター封入作業」を行ないました。
レオスでも多くの文書で電子化が進んでいますが、お客様へ郵送で書類をお送りすることもあります。「紙折り機」で三つ折りにされた書類を、封筒に入れていきます。実際の業務では大切な個人情報を扱うことになるので、間違いが無いようにダブルチェックをしながら作業をします。この日は、ダミーの宛先が書かれた書類を用意しました。
紙折り機を初めて間近で見て、その仕組みを興味深そうにのぞき込む男子生徒さんもいました。
このプログラムで、職業体験学習は終了です。

私たちが中学生の皆さんに伝えたかったこと

2日間にわたり、中学生の皆さんの真剣な様子や笑顔を見ることができ、私たちレオスメンバーはたくさんのエネルギーをもらいました。

生徒さんからのアンケート内容を、一部ご紹介します。

「今日の職場体験では“会社”について学ぶことができたと思います。ひとつの会社で様々な役割があるということはもちろん、営業や企画、人事や総務など、聞いたことはあるけれど…程度でしたが、内容について教えてくださったので、社会人になっていく上で大切なことが知識として身につきました。ありがとうございました」

「チラシ作りでは、みんながすごく良い案を出していました。完成したチラシは本当にありそうでした。すごく楽しかったです」

「初めて知ることが多くあり、金融はこんな感じなのだと学ぶことができました。金融の会社はお堅いイメージがありましたが、とてもアットホームな職場で驚きました」

「例え話をお菓子にしてくれたり、投資を「応援に」置き換えてくれたり、チラシを作らせてくれてありがとうございました。とてもわかりやすかったです。わたしたちの意見も聞いてくれて、とり残されずにできて良かったです。投資ということがわかって、やってみようと思いました」

「他の職場ではできないことを体験できたのが良かったです。今までわからなかったことや知らなかったことを、丁寧にわかりやすく説明してくれて、知識が増えて、家族や友達にも教えてあげたいです!」

私たちが職業体験学習を通じて中学生の皆さんに伝えたかったことは「働くことへの愛」です。

レオスでは仲間と相互に協力しながら、お客様に笑顔になってほしい、より良い未来を提供したいと、商品・サービスを提供していきます。

私自身はレオスで働き始めて4年目ですが、休日明けの月曜日に会社の人と会えることが楽しみです。上司・同僚たちと同じ方向を見て、より良い社会に一歩ずつ前進していることをかみしめながら、日々の仕事に取り組んでいます。未来をつくるために、信頼できる好きな人たちと、好きな仕事をする。それが、自分自身の力を一番発揮できる働き方だと確信しています。

教育も投資も、人と未来の可能性を信じること、未来を拓くことそのものです。中学生の皆さんは無限の可能性を秘め、これからの日本や社会をより良く変えていける存在です。
日々の勉強に取り組むこと、部活をがんばること、好きな世界に夢中になること、知らない世界に足を踏み入れること…すべては未来への「投資」といってよいかもしれません。

中学生の皆さんが大人になった時に、どんな仕事であっても自分の好きな世界で、素敵な人と一緒に仕事をしてほしいと願っています。
今回レオスの職場体験に参加してくれた皆さんが自分で人生を選択すること、自分の人生の主人公になることを、心から応援しています。

生徒の皆さん、ご協力くださった先生方、ありがとうございました!


※当記事のコメントは、個人の見解です。当社が運用する投資信託や金融商品等の売却・購入等の行為の推奨を目的とするものではありません。
※写真は前・後編ともに1日目、2日目双方の写真を掲載しております。