基準価額の変動を味方にするつみたて投資 【はじめての投資ガイドブック #4】
「はじめての投資ガイドブック」の第4回です。前回、“何に投資すればいいのか”=投資対象について説明しました。投資対象が決まりいよいよ投資をはじめるぞ!と思われた方が次に気になることは、どのタイミングで買えばいいのか、という点ではないでしょうか。今回の記事では“いつ、どれくらい投資をすればいいのか”を考えていきましょう。
学生時代に株式投資やFX取引をはじめるが、あまり上手くいかず、同時に始めた投資信託のつみたてのほうが、利益があがっていた。この経験から投資信託に興味をもち、2023年4月にレオス・キャピタルワークス入社。現在も資産運用は、投資信託のつみたてを中心に行っている。
投資は安く買って、高く売ることで利益が出る
購入時と、売却時の差額が投資におけるキャピタルゲイン、すなわち利益になります。つまり、キャピタルゲインのみに限っていえば最も理想的な購入タイミングはそれを一番安く購入できるときということになります。
しかし、実際には金融商品の価格は日々変動しており、売買のタイミングを正確に判断することはプロでも困難です。
そこで購入タイミングを自身で判断せずできるだけリスクを抑えて投資を行なう方法として、つみたて投資をご紹介します。
つみたて投資とは、一度にまとまったお金を投資するのではなく、一定の金額を、定期的に投資し続ける投資方法です。では、このつみたて投資、どのようなメリットがあるのでしょうか?
価格変動を味方につける、時間分散の考え方
正解は③の15万3,000円です。つまり、12月時点でプラスになっているということになります。12月時点での投資信託の基準価額は7,000円と、1月の10,000円から下落しています。にもかかわらず、なぜ資産全体の評価額はプラスになったのでしょうか。
これは、購入するタイミングを分散することで、基準価額が安いときに多く、高いときに少なく購入し、平均購入単価を抑えることができたためです。基準価額が1月の10,000円から8月には3,000円まで下がっていますが、このタイミングで口数をたくさん買うことができたことで、12月時点での利益につながっています。このように投資(購入)するタイミングを分散させて、リスクを抑える手法を時間分散と呼びます。時間分散について、りんごの購入を例により詳しく見ていきましょう。
一括購入の場合、りんごが1個100円のときに、元手の4,000円をすべて使って購入するため、全部で40個のりんごを購入でき、1個あたりの平均購入単価は100円となります。一方、毎月1,000円ずつ分散して購入した場合、りんごが1個200円のときは5個、1個50円のときは20個といった具合に、価格が安い月に多く、価格が高い月に少なく購入することができます。結果的に一括購入の場合よりも多い45個のりんごを購入でき、平均購入単価も約89円と抑えることができます。投資は安く買って、高く売るほど利益ができるため、平均購入単価を抑えることは利益をあげやすくなる=マイナスになるリスクを抑えることにつながります。これをドルコスト平均法といいます。
※価格変動図は、一例です
つみたて投資はこのドルコスト平均法を利用した投資手法であり、基準価額の変動に左右されずに資産をつみたてることができます。
手軽さもつみたて投資の魅力
ドルコスト平均法により平均購入単価を抑えられること以外にも、つみたて投資には大きなメリットがあります。ひとつは 少額からはじめられる点です。つみたて投資では長期で購入回数を分散して投資を行なっていくため、まとまった資金は必要としません。レオスの直販では月々1,000円から投資を行なうことが可能です。
また、「定期的に購入する」と聞くと面倒に感じるかもしれませんが、実際は購入する投資信託と毎回のつみたて金額を決め、金融機関(銀行や証券会社)でつみたて投資を申し込めば、あとは毎月自動で買付を行なってくれます。
【まとめ】つみたて投資のメリット
1.定期的に購入を続けることで、平均購入単価を抑えることができる。
2.少額から投資を始めることができる。
終わりに
今回は“いつ、どれくらい投資をすればいいのか”というテーマでお話ししました。次回は、一度はじめた投資をいつまで続ければいいのか、投資のやめ時(売り時)についてお話ししていきたいと思います。
※当記事のコメント等は、掲載時点での個人の見解を示すものであり、市場動向や個別銘柄の将来の結果を保証するものではありません。ならびに、当社が運用する投資信託への組み入れ等をお約束するものではなく、また、金融商品等の売却・購入等の行為の推奨を目的とするものではありません。
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