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ビリギャルと考える新時代の学び ワクワクさせてくれる大人との出会い 【ひふみフォーラム2020開催レポート vol.4】

5月24日にオンライン開催(YouTube Live)した「ひふみフォーラム2020」。

冒頭のご挨拶、岡田武史さんによる基調講演に続き、お二人目のゲスト、小林さやかさんが登場です!

ベストセラーで映画化もされた『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』、通称「ビリギャル」。ビリギャルの名前は聞いたことがあっても、そのモデルとなったご本人の小林さやかさんのお話を直接聞くのは、この日が初めて、という方も多かったのではないでしょうか。

小林さんは2019年4月より、教育学の研究のため大学院に進学されていて、現在は講演、執筆やセミナーの企画運営をしながら、“学びのスペシャリスト”を目指されています。

そこで今回のテーマは「ビリギャルと考える新時代の学び ―ゆたかさへのプラチナチケット―」

この春、大学院を卒業したばかりのアナリスト栗岡大介が聞き手に、進行役は白水美樹が務めました。

前編と後編の2回に分けて、マーケティング・広報部の桜井がお伝えします。

我が家にも小学校5年生の息子がいます。教育学を研究されているという小林さんのお話には興味津々でした。休校期間中にAmazon Primeで映画「ビリギャル」を親子で観ていましたが、初めて小林さんのお話を聞く機会となりました。(桜井)


本題に入る前に、小林さんからの熱いリクエストが!

「今日、お子さんがいらっしゃる方はぜひ、一緒に見て欲しいです! 今すぐ、ここに呼んできて!」

私自身も、自宅のリビングで参加していましたので、隣の部屋にいた小5の子どもを呼び、パソコンの前に椅子を2つ並べて、一緒に視聴することにしました。

坪田先生との出会いが「学びスイッチ」のきっかけ

白水:
小林さんの学びのバックグラウンドについて教えてください。主体的に学びたいと思った時、学びのスイッチが入った瞬間はいつで、何がきっかけだったのでしょう?

小林さん:
キッカケは、坪田先生(『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』の著者である坪田信貴先生)でした。ワクワクさせてくれる大人との出会いですね。

私自身、小学校時代は早生まれということもあり、勉強、スポーツ、やることなすこと全てに自信が持てなかったんです。それで「このままじゃイヤ、もっと人生楽しみたい!」と思い、中学受験をしました。

中学に入ってからは、これまでの自分のキャラクターを変えようと“キャラ変”に勤しみ、勉強はしませんでした。人気者になりたい、と毎日を思いっきり楽しみましたね。そうしたら、あっという間に成績は学年ビリへ。

高校2年生だったある日、お母さんが弟のために見つけてきた塾の面談に行くことになり、そこで坪田先生と出会いました。面談では、「そのまつげ、どうなっているの?」と聞かれたので、まつげの話を夢中でしたら、坪田先生はゲラゲラ笑っていました。

その坪田先生に「慶応に興味ない?」と聞かれて、「慶応にはイケメンがたくさんいるかな?」と、慶応大学を目指すことになったんです。私が主体的に学びたいと思えたのは、坪田先生と出会い、坪田先生が私のワクワクを引き出してくれたからでしたね。

栗岡さんのご両親は、二人ともアーティストなんですよね?

栗岡:
両親共に、自分の好きなことをしなさいという人で、現に今も、父も母も自分の好きなことをやり続けています。親戚にも、小林さんのお母さんみたいな方が何人もいます。とにかく否定しない、とにかく、やってみよう、というスタンスです。僕の親には、ずっと背中を押してもらっていました。

小林さん:
素敵な家族ですね! 私もそういう親になりたい。

子どもより、楽しんで生きる!

小林さん:
私、子どもを産んだらこうしたい!と決めていることがあるんです。「子どもより、楽しんで生きる!」と決めています。

私は子どもより先に死んじゃうので、自分が死んだ後も、子どもに幸せに生きてほしいし、ずっとワクワクし続けてほしい。だから、小さいころから大人のモノサシではかりたくないって思っていて。これは私のお母さんも言っていたことで。

自分が人生を思いっきり楽しんでいる姿を子どもに見せる、それが一番の英才教育だと思うんです。100万回「勉強しなさい」って言うより、絶対いい!その上で、自分で学びって楽しいんだ、って気づかせてあげられる環境を用意してあげられたらと思う。

だから、栗岡さんみたいな子どもが世の中に増えたら、いいと思う!

栗岡:
世の中、大変なことになりますよ!(笑)

でも、子どもは、自分が何に興味があるのか、わからないこともありますね。

僕が大切だと思っているのが、“応援すること”なんです。

何に興味があるかわからなくても、身近にいる何かを頑張っている人を応援する。すると、どんどん自分の興味が広がり、自分のやりたいことが、いつのまにかできてくるんです。僕はアナリストとしていろんな起業家の方たちと話していますが、日々そう実感しています。

ライブ中、参加者の皆さんからも、活発に感想を書き込んでいただいていました!

「勉強って何の役に立つの?」

白水:
実は私は、教員免許を持っています。教育実習の時に、中学3年生の生徒さんたちに「今日の勉強って、大人になって何かの役に立つの?」と聞かれたことがあり。その時は、返す言葉が見つかりませんでした。今の日本の教育って、子どもにとって良いのだろうか?と感じてしまい。その点について、どう思われますか?

小林さん:
それ、私が100万回くらい、先生に聞いたこと!(笑)

私がまさに今、学んでいることなのですが、日本の新しい学習指導要領を一度、皆さんにも読んでいただきたいです。文部科学省が定めている先生たちの指標なのですが、他の国がならうほど、素晴らしい思想を持っているんです。「学校教育に求められているものが全て書いてある!」と思いました。

一方で、学校の先生たちの何割が、この指導要領に書かれていることを本当に実践できるのだろうかというと、それより前に毎日やることが多すぎて「学びとは何だろう」と立ち止まって考えることができていないんじゃないか、と……。

坪田先生と私との関わりは、「Coaching(コーチング)」だったんです。

COACHという名前のブランドマークを見るとわかるのですが、「馬車」が語源で、さらに動詞の意味は、“大切な人を目的の場所に連れていく”という意味なんですよ。スポーツには必ずコーチがいますよね。

「Teach」と「Coach」って全然違うんですね。「Teaching」は学びの矢印が一方向。つまり従来の教育のように、これを覚えなさい、これをやりなさい、と言うだけ。坪田先生のように、私から矢印が外に向くように促してくれたのが、「Coaching」。そもそも「Education」も、「相手から能力を引き出す」というのが語源です。

現場の先生たちは、それをわかっていても、生徒一人ひとりにやる時間がないんです。システムの問題なので、ちょっとずつでも学校の仕組みが変わっていくべきだと思います。

栗岡:
今までの生き方は、学校で学び、卒業して仕事に就き、結婚して、出産して、という典型的なモデルがありましたが、さらにコロナ禍で大きな変化がたくさん起きています。学びについてもすべての人に当てはまる“一般解”は無くなりつつありますね。我々自身が環境に合わせて、“特別解“を出し続ける必要があります。

それに僕は、「学ぶこと=働くこと」って、同義語になりつつあると思うんです。大人になっても永遠に変わり続けること、学び続けることが大切ですね。

小林さん:
そうだね。学び続けないと楽しくないし、Something Newが入ってこない人生なんて考えられない!

自己肯定感を育む2つのもの

白水:
どうしたら、二人はいろんなことに興味を持ち続けられているのでしょう?

小林さん:
講演でも、よく聞かれます。自己肯定感が大事なんです。自己肯定感を育むのに欠かせないものは2つあります。

①  信じて認めてくれる味方  

②  挑戦する力を生む成功体験

私の場合、ワクワクの種を一緒に見つけてくれる母の存在が大きかったですね。期待されると人は伸びる、という考え方で教育心理学ではピグマリオン効果と言われています。その逆がゴーレム効果で「あんたなんて馬鹿、どうせ無理」と言い続けると、その子の成績も自己肯定感も落ちてしまう。

習い事もたくさんやって、すぐにやめたりもしたけど、水泳は水の中が好きでずっと続けられて。人より得意なもの、できることがあると、「もっと頑張りたい!」って思えますよね。

成功体験は中学受験がそうで、だから大学受験もやってみようと思えた。成功体験のためには、失敗体験も必要。成功体験は失敗しても挑戦し続ける力になりました。

「ああちゃん」こと小林さんのお母さんについては、親子共著『ダメ親と呼ばれても学年ビリの3人の子を信じてどん底家族を再生させた母の話』に!

栗岡:
僕の場合は、好き嫌いがすべての源泉ですね。それが世の中で重要か、重要じゃないか、は関係ないんです。

どうしても「能力信仰」になりがちだけど、違うと思うんですよ。よくダーウィンが「この世に生き残る生物は、激しい変化にいち早く対応できたもの」と言っていたとされますが、実はそれは彼の言葉ではないんです。これは元々1960年代に米国の経営学者がダーウィンの考えを独自に解釈して記した言葉で。

ダーウィンが本当に言っていたのは、生物の優劣じゃなくて「生物って多種多様で、素晴らしい」ということです。だから、ダーウィンが今も生きていたら、小林さんと栗岡とも仲良くしてくれると思います(笑)。

小林さん:
多様性に触れられるのが、学校だと思います。学校って、ものすごいいろんな人がいるでしょ。例えば小学生に「クラス全員と仲良くしましょう」とか言うけど、そんなのは絶対無理じゃないですか。ケンカしたっていいし、一人でいたい人は、それでいい。

総じて、社会って大人が決めつけてしまっている部分が多いですよね。特に教育の分野は大人がすごく議論してばっかりで、子どもの意見は入っていないんです。

今のコロナの状況で一番大切なことって、カリキュラムをどう消化するかじゃなくて、家族で話し合うことなんじゃないですか。大人も子どもも対等な立場で意見を交換する絶好のチャンスだし、その素材が今、いっぱいあると思いますね。


***
後編は「教育における“次のゆたかさ”とは何か?」、そして講演のサブタイトルにもある「プラチナチケット」について、さらにトークが盛り上がりました。

>>【ひふみフォーラム2020開催レポート vol.5】へ続きます!

(レポート:マーケティング・広報部 桜井)

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