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SHOWROOM前田裕二さんと考える 「ゆたかさ」の意味 【ひふみフォーラム2020開催レポート vol.7】

5月24日にオンライン開催(YouTube Live)した「ひふみフォーラム2020」ではたくさんの方にご視聴いただき、本当にありがとうございました。
3人目のゲスト、SHOWROOM株式会社代表取締役社長 前田裕二さんは、レオス代表 藤野英人の対談でお届けしました。

10年来のご縁の二人。とても盛り上がりました!

前回のレポートはこちら↓
『すべての人生に夢中を-夢中の震源地 SHOWROOM-』【ひふみフォーラム2020開催レポート vol.6】

後編では、SHOWROOMの「すべての人生に、夢中を」というスローガンに込められた想い、さらに新しいひふみのブランドメッセージ「次のゆたかさの、まんなかへ」に関連して前田さんが考える「ゆたかさ」についても、お話していただきました。

前編に続き、ダイレクト営業部の井波がレポートします。

後編ではSHOWROOMの世界観がさらに深掘りされ、経営のあり方、「ゆたかさ」とは何か、壮大な話が展開されました!(井波)

「夢中」という言葉の二つの意味

藤野:
昨年末に、SHOWROOMで「すべての人生に、夢中を」という新しいスローガンが誕生しました。こちらを掲げることになった背景について教えていただけませんか?

前田さん:
まず、もともと僕らの掲げるスローガンは、「夢中」というよりも「努力」押しでした。非常に体育会系で、単純に「頑張ったやつが、えらい」っていう(笑)。10年前に藤野さんに最初に出会った頃なんて、「やらなきゃ」「先輩を超えなきゃ」という強制力が自分の中での頑張る理由だったんです。でも、起業して自分の価値観はだんだんと変わってきました。

それは、仲間の影響が大きかったです。僕の共同創業者(CTO)の佐々木が「エンタメを提供している側が楽しんでないっておかしいでしょ」っていう価値観を教えてくれた。そこから自分も楽しいかどうか、っていう価値観を大事にするようになりました。努力に、楽しさを掛け算すると……それは、「夢中」だな、となったんです。

もうひとつの理由は、夢中っていう言葉は “夢の中”って書きますよね。

「夢の中」の適用範囲って広くて、二つの意味があると思うんです。例えば僕なら「GAFAを超えるような会社をつくりたい」と本気で思っているんですが、誰もがgoogleを倒したいと思うかというと、そんなことない。自分は特に夢を持たないよ、っていう人もいっぱいいます。

では、自分の夢を持たない人は、「夢中」というゆたかさを経験できないのかというと、それは違います。夢の中に入るもうひとつの方法があるとしたら、それは「自分以外の誰かの夢の中に入る」というのもあるな、と思ったんです。

SHOWROOMってまさにそういうプラットフォームになっていて、誰かの夢の中に入って、自分も“夢中“になれる

藤野:
特に日本人の多くの人はとてもいい意味でフォロワーシップを持っていますよね。夢を持っている人を支えることで充足感を得られる。全員で創業者になろうよ、というと結構つらくなる人がいるんだけども、創業者を支えようよとか、一緒に夢を見ようよということになると、まさに適用範囲が広いよね。

表に現れる部分が利他なら世界は温かくなる

前田さん:
自分のことだけじゃなくて、誰かのことを考える、誰かのために動く、というのが心のゆたかさや幸福度を引き上げるということは、色々な脳科学の実験を通じて、ある程度証明されてきていますよね。

最終的に自分が幸せになるという意味では利己的かもしれないけど、それで僕はいいと思っています。表に出る部分が利他ならもっと世界は温かくなっていくと思うので。歴史上の偉人のように心の裏側まで利他じゃなくて、裏が利己で全然いいんだろうなと思うんです。

だから、裏はこの際どちらでもいい、「”表に現れる行動が利他”という人を増やしていきたい」という思いが、SHOWROOMの設計思想には含まれています。ギフティングやコメントなど、オーディエンスが優しい応援を投げかけていること自体を可視化しているのは、それによって演者側から感謝の言葉が跳ね返り(≒利己的な幸せを得られ)、それが人の利他行動を加速させるだろう、という考え方に基づいています。

今までの寄付的なものって、そこが可視化されにくかったから、本当に心の裏側も利他じゃないと参加しにくかったのかもしれません。マズローの言うところの安全欲求や生理欲求を超えて、階層を登り切った方しかできない行動になってしまう、それだと中々一般化しないと思ったんです。

藤野:
利己を最大化していくためには結果的に利他的でないと続いていかないですしね。

例えば、物をたくさん売るためには、結局その物を買って喜んでくれるお客様が絶対に必要なので。喜んでくれる人を増やさないと絶対にもうからない。起業家が売り上げを上げようとすると、いつか必ず気がつくんですよ。自分がもうけるためには、納得してサービスを受けるお客様を増やさないといけない、という重い現実にぶち当たるわけです。

前田さん:
まさに、商売の本質ですよね。だから、本気で命削って仕事をすればするほど、どんどん利他的になっていくんだと思います。どうやったらお客様が幸せになれるかな?って、朝も夜もずっと、延々と考えることになるわけですから。

さすがメモの達人の前田さん、お話の中でメモを取るタイプ音が聞こえてきました!

前田さんの考える「ゆたかさ」の定義

藤野:
アマゾンのジェフ・ベゾスなんかは「消費とは何か」ということを真剣に哲学しているんだと思います。前田さんの場合、「夢中とはどういうことなのか」「幸せにするとはどういうことか」と真剣に考えて、その真剣に考えた結果が自分たちの利益になり、そのことが社会を良くしていくことになる。思想と仕事が、つながった世界観になっていますよね。日本企業の成長性が低いと言われているけれど、高齢化とかが原因ではなくて、こうした思想や哲学から仕事をクリエイトするという発想がないせいだと思うんです。

前田さん:
社会の要請は必ずしも思想や哲学ではなく、むしろ数字やお金がほとんどですよね。だからリーダーはどれだけ社会に揺さぶられても、信念を持たなければいけないし、信念を保つことの難しさは、僕も日々感じています。意識しないと薄まっちゃうなと。思想の濃度が薄まらないように、なるべく工夫して「哲学モード」の時間、内省の時間を取っています。

藤野:
僕たちも新しいひふみで「次のゆたかさの、まんなかへ」というブランドメッセージを掲げています。ひふみが皆さんの資産運用のまんなかに入って支えていきたい、という僕たちの意思はもちろんあるんだけれども、ゆたかさとはなにか、というのは皆さんそれぞれのテーマだよね、という考えもどちらもあるんです。

これはまさに「夢中」が、夢中をつくる人と、夢中を支える人という両面があるということと似ている気がしていて。ゆたかさも僕らが提示していくところと、皆さんが考えていくところ、それぞれあるんじゃないかと思います。

前田さん:
すごくわかります。例えば、「縁側で猫と一緒に庭を眺めてお茶を飲んでいるのが幸せ」という人がいるとして、僕の「夢中」って言葉とはそぐわないかもしれないけれど、それもゆたかさじゃないですか。ゆたかさって結局「自分の価値観に沿った時間をどれだけ送れているか」ということだと思いますね。

夢中な人の挑戦を支える投資のチカラ

前田さん:
僕の場合、経営者としてGAFAを超えたいという夢があります。僕個人のオンラインサロンにも1万人の仲間が集っていますが、GAFAを超えるという夢を成し遂げるには、やっぱり仲間と会社という形で挑戦する必要があります。

株式会社っていう仕組みがよく考えられているなって思うのは、投資を通じて僕らの今の実力値以上に僕らの未来を評価してもらうことで、大きな挑戦をさせてもらえるというところがあるんですね。それは昨年、資本政策をとった時に強く実感したことでした。

皆さんが株の投資をする場合もそうで、どこかの会社の株を買うというのは、自分1人じゃ持てなかったかもしれない夢の片棒を担ぐことかもしれないですよね。投信を買って基準価額が上がっていくというのはもちろん嬉しいんですけれど、誰かの夢を応援して、それが自分の夢にもなって精神的充足を味わう、という二つの観点で、僕は投資と心のゆたかさというのが紐づいているな、と。今日の対談のテーマと関係なく、それは自分が前職で株の仕事をしながら感じていたことでもあります。

藤野:
ひふみは今アジアで最大のアクティブ株式ファンドになって7000億円くらいお預かりしているんです。一人ひとりのお金が集まって、将来のSHOWROOMのような、理念やビジョンを掲げて頑張っている会社を応援しているわけですが、これによって経営者がそれぞれ未来に挑戦できる。この循環に僕らの投資の仕事の意味があります。

世の中にはいろいろな夢中な人がいて、そういう人たちが夢中になっているといろんな成果が出てきます。逆に夢中じゃない人に投資をしてしまったら、いい成果は出てこない。投資家として、どれだけ夢中である人たちを探すか、ということがものすごく大事なことだと思うんですね。

今日は僕らがやりたいこととはなにかということが、前田さんとの対話を通じて、皆さんにもお伝えすることができたなと思っています。

素敵なお話をありがとうございました!

「夢を応援する」ことも大切なこと

参加者の皆様からも、数多くの感想のコメントをいただきました。一部ですが、ご紹介します。

  • 一番印象に残っているのは、前田さんがおっしゃっていた「自分の価値観に沿った時間をどれだけ過ごせるか」という言葉でした。情報が溢れているこの世の中で、自分軸でしっかり考え、周りと比べずに「しあわせ!」と思える時間を積み重ねていくことが大事だなと感じました。そしてその幸せがたとえ利己利他でもよいと。きれい事ではなく、いろいろな経験をされてきた方だからこそ言えるメッセージだと思います。あらためて誰かを応援する気持ちを大切にしたいと思いました。それは投資の本質でもありますね。(東京都・30代)

  • 前田さんがおっしゃった、夢を応援する人も大切ということを聞いて、自分が自分がって気負わなくてもいいんだな、と気持ちが少し楽になった気がします。(愛知県・40代)

アンケートのお声にもありましたが、私も前田さんのお話で少し救われた気持ちになりました。私は子どもの頃から創業者タイプというよりも人の夢を応援して夢中になるタイプでした。大学時代は体育会の部活に入ってマネージャーとして全国優勝を目指していて、とても楽しかったんですが、この話をすると「なんで自分が選手にならなかったの?」と聞かれることがよくあります。そのたびに、私の楽しかった4年間をうまく説明できず、もやもやとした気持ちになることがありました。

私は人の夢を応援することで自分が夢中になれるタイプの人間で、夢を持って頑張る人を応援することで夢中になることは悪いことじゃなかったんだ、と気付きました。

そしてあらためて今、ひふみの仕事を通じて、また人の夢を応援できていることを、嬉しく思いました。
(レポート:ダイレクト営業部 井波 彩)

※当記事のコメントは、個人の見解です。当社が運用する投資信託や金融商品等の売却・購入等の行為の推奨を目的とするものではありません。