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ひふみアニュアルミーティング2021 EVENT REPORT ④ ひふみスタジアム 後編

「ひふみアニュアルミーティング2021」のレオスメンバーによるレポート。今回は運用メンバーによる「成長企業の見つけ方 in ひふみスタジアム」の後編です。
レポートは引き続き、2021年の新卒メンバー・債券戦略部の本間が担当いたします。後編ではまさかの緊急出場・株式戦略部シニア・アナリスト小野、シニア・ファンドマネージャー佐々木、シニア・アナリストの妹尾が登場です。

前編はこちらから

4番 小野 自身も経営者に 大切なのは「想い」

このパートには出場する予定がなかった小野ですが、予定より早く会場に到着していたので(!)急遽成長企業の見つけ方についてお話ししました。
小野はレオスでシニア・アナリストを務めながら、キノコ栽培の会社を経営しています。自身も経営者ということで経営者視点での成長企業の見つけ方について藤野、湯浅からの質問も織り交ぜながら進めていきます。

小野:
成長企業を見つけるうえで一番大事なことは、「経営者の想い」です。以前は、「株価が伸びるか」「利益が伸びるか」ばかりに注目していました。しかし、ここ最近、利益を伸ばす源泉も株価が上がる力も経営者や会社で働く人たちの力だということをひしひしと感じられて、調査している会社もそれらのことに注目して投資し、結果としてよい投資になりました。

藤野:
自分でビジネスしていることが見方の変化につながりましたか?

小野:
売り上げを伸ばそうと思ったときに、自分の商品の価格を上げていくのか・数量を伸ばすのか、というのは勝手に決まっているものではなく、そこには必ず経営者の意思が反映されています。ある程度利益も出て事業が出来上がってきたときに、それでも成長するのかしないのかは経営者のやる気、「こういう社会にしたい」という想いがないとなかなか追加で投資に踏み切れないと思います。それは自分で事業をやっていてものすごく感じました。なので、なおさら企業の取材をするときに経営陣の方々はどういうことを考えているのか?数量を伸ばしていきたいのですか?価格はどうしていくのですか?など戦略としてではなく想いとしてどういうことを考えているかを着目しています。

湯浅:
事業を3人で始めてから頓挫しそうになったと聞いたけど、そこから経験したことは何かありますか?

小野:
そこでやめても実害はないし、いろいろな道があると思いました。当初、一緒に事業を立ち上げた3人「こんなことやりたいよね」「こういう風に事業を大きくしていきたいよね」と熱い想いを共有してきました。最初の想いを大切にしたいと思ったときに、もう一回やろうと思えました。会社の大小にかかわらず、それは同じだと思います。

セッションの中で、以前と着眼点が変わったとお話ししていましたが、高度な分析はもちろん、実際の経験に基づいた経営者の視点を持つアナリストである小野さんのこれからの調査活動は私にとっても大きな学びになると思いワクワクしました。

5番 佐々木 成長企業はクジラの子?

佐々木は、レオスに入ってから藤野や湯浅・渡邉から学んだという企業調査に関するある言葉から、成長企業の見つけ方についてお話ししました。

「メダカの子かクジラの子かどちらかといえばこの子はメダカの子だよ」

佐々木:
私は他業界からこの業界に入ってきました。アナリストとして一生懸命リサーチをしていて、ある時毎年20%ずつくらい利益が上がっている中小型株を見つけました。5年で利益規模が倍になるイメージの会社で、期待を持ってたくさん資料を作って、運用チームのメンバーにその会社の成長性について語ったんです。しかし、みんなの反応がすごく「お寒い」感じで。
そこで藤野さんは「メダカの子かクジラの子かどちらかといえば、この子はメダカの子だよ」と仰ったんです。

「両方とも目がくりくりしててしっぽもフリフリしてて、子供のころはかわいいし、手をかけて育てたいと思うけど、メダカの子はメダカにしかならないけどクジラの子はクジラになるんだよ」というのを聞いて「利益が倍ではメダカなのだな」と印象に残った言葉です。
メダカの子なのかクジラの子なのか、そこの見極め方はすごく難しいです。

藤野:
一方でクジラの子ばかり狙うようになるとファンドが「金臭く」なるよね。だからバランスが大事。ただ、メダカの子に投資をしたいというのはリサーチャー魂でもあるから、それを失ってほしくもない。

佐々木:
そのためには、メダカの子をリサーチしないのではなく、好き嫌いしないというのが大事だと思います。普段からたくさんの企業に会うようにしていて、好き嫌いせず会った方が、選球眼が上がってきて「メダカの子」と「クジラの子」の目算がある程度つくようになります。なので、メダカの子ばかりをポートフォリオに入れないというのも大事ですが、例えばそのメダカの子が「アユ」くらいのサイズだろうな、と思ったときに、クジラにはならない、アユだとわかっていてもあえてその会社に投資したい理由は何か考えるんですよね。それは、目先に利益が倍になる会社さんよりも、社会にインパクトを与えられる会社さんの方が運用者としても応援したいと思います。

私は2021年9月に新卒としてレオスに入社し、債券戦略部で日々上司の福室さんから学んでいます。
「債券はレオスでもはじまったばかりで仕事するにおいても確立したものがない。何事もゼロベースで考えよう」と私よりも圧倒的に経験を持つ福室さんの言葉に奮い立ちました。社会人になると正解があるものを求められていると思い込んでいましたが、自分なりにやってもいいし、失敗しても怒られるのではなく何がいけなかったのかを冷静にフィードバックしつつ見守ってくれている福室さんの言葉は、私にとって将来、佐々木さんが藤野さんに学んだ言葉のように記憶に残る言葉となりそうです。

6番 妹尾 成長企業を見つけるための「正攻法」

妹尾は成長企業の定義を「成長している産業・企業」と「成長しそうな産業・企業」の二つに分解しているといいます。

妹尾:
成長している産業・企業は、すでに成長していて今後伸びそうな産業・企業であることの見通しが高いです。将来への確度が高い分、企業価値は足元よりも将来に依存します。

一方、我々が注目していきたいのはこれから成長しそうな産業・企業です。まだ、世の中が注目していないため、マーケットでの評価が低くバリュー(割安)株のようになっている会社です。そういう会社は、まだ成長するかわからないので市場見通しも株価も不安定で、本当に成長するのかどうかというところが確信を得られません。しかし、その会社が花を開くと再評価される形で株価が上昇します。
私は、まだあまり注目されていないけれど、価値のある資産を持っている会社で、将来的に花を開くかもしれない会社を探していきたいと思っています。

では、そのような会社をどのように探すのかといえば、「取材」しかありません。
私は10年以上アナリストの仕事をしてきました。その経験の中では、数字から成長企業を見つけに行こうとしたことも多々あります。
しかし、その情報はすでに共有されているので、そこから導き出される企業はその時にはすでに成長しています。成長しそうな企業を見つける飛び道具があれば一番楽なのですが、
結局は裏技はなく、企業の決算、経営者への取材、業界紙などによる地道なインプットと妄想・想像力に尽きます。
実際、業界紙で得た情報で「今後これが伸びるのではないか」と思って注目していた企業がいくつかあります。ですが、商業化されるまで結構な時間がかかるため、2010年に読んだ内容が今やっと花開いているものもあるんです。未来に花開くものを地道に仕込んでいる会社を見つけに行くのが大事で、そこに取材に行って銘柄を選択していくことが、つまらないかもしれませんが正攻法だと思います。

渡邉:
妹尾さんは私と一緒にIPO(新規上場)企業に取材をしていますが、今月(2021年12月)もたくさんの企業がIPOを控えていますよね。そういった企業さんと面談してみて変化はありましたか?

妹尾:
すごく刺激的な月でした。これからIPOしようという経営者の方々とお話できたのはとてもいい経験になっています。これまでのキャリアでは比較的大型株を見ていたこともあって、そういった経験が少なかったです。これから大きくなりそうな会社の熱量に圧倒されます。数字じゃなくて人を見ないとわからないな、と考えるようになったのが大きな変化ですね。財務データの分析にその熱量をどう反映していこうかを考えるのもこれからの課題ですし、熱量に負けない取材をしていきたいですね。

渡邉:
熱量にあてられて過大評価してしまうこともあるけど、そこをどう見極めていくかはこれからが楽しみですね。

妹尾さんの話は、企業調査だけでなくどんな仕事にも通じていると思いました。結果を急ぐあまりいつも近道を探そうとしてしまいますが、結局そういう時には何もわからないし、楽にやろうとするとバイアスがかかるので視野が狭められてしまいます。地道にコツコツ努力をすることが大切なのだと改めて考えさせられました。

***

いかがでしたか。「成長企業の見つけ方inひふみスタジアム」では株式戦略部のアナリストひとりひとりの成長企業に対する考え方を垣間見ることができました。入社して間もない私にとっても学べることが多く、非常に良い経験となりました。私自身も個性的な分析ができるように精進してまいります。


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