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未来が楽しみになる!副社長と社長の娘が語った「子どもとお金」 後編

1歳の第一子を育てながら働く営業部の井波が、子どもにお金や投資について、何をどうやって伝えていきたいか、悩みながら考えていく体験談です。今回は副社長の湯浅と、会長兼社長の藤野の娘である藤野菜々歩さんが、親の立場と子の立場から、家庭でのお金の教育について、それぞれの実体験を聞かせてくれました。新米ママが悩みながらも気付いたことを共有することで、同じような境遇のママさん・パパさんたちが、子どもと一緒にお金について学ぶお手伝いができることを目指します。

この記事のポイント

  • 「●●」以外、なんでも自由にやっていい
  • お小遣いは、自分の行動や、何かの対価として受け取るもの
  • 「お金・投資」を教えるタイミングを見計らう……そんなの無理!
  • 子育てそのものが最大の「投資」
  • 子どもからのリアクションを受け止めて、手を差し伸べる
  • お客様も私も、「投資」が生み出す良い循環の中にいる

<プロフィール>
井波 彩(いなみ あや)
東京都世田谷区出身。
大学卒業後、2013年からメガバンクで勤務した後、レオスやひふみの理念に共感し、2018年レオスへ転職。レオスでは投信計理を経験した後、営業本部に異動し、現在は営業部にてひふみシリーズの直接販売のお客様に向けたコンテンツ作りや、イベント運営を担当。趣味はテニスと読書。最近は子どもを連れて近所の児童公園を巡るのが楽しみ。

皆様こんにちは。営業部の井波です。今回は、レオスの新米ママ社員である私が、副社長の湯浅さんと、会長兼社長の藤野の娘である藤野菜々歩さんに、ご自身が家庭でお金について何をどう考え、伝えて/受け取ってきたのか、をテーマに話を聞いたエピソードを紹介しながら、家庭でのお金の教育について考えていきたいと思います。

前編では、「親子とお金」をテーマにした座談会を開くまでの経緯についてご説明しました。
後編では、座談会で湯浅さんと菜々歩さんに実際に語ってもらったエピソードをご紹介したいと思います。

「●●」以外、なんでも自由にやっていい

早速、湯浅さんに「今年18歳になる息子さんに、どんなお金や投資の教育をしてきましたか?」と、聞いてみました。

息子が幼いころから今までずっと、僕が息子に伝え続けてきたことが1つあります。
それは、「死ぬこと、人の命を奪うこと」以外は、何でも自由にやっていい、ということです。
そして、「君が起こすアクション・行動は全て『投資』なんだ」と、ということです。


「死」という言葉に、一瞬ドキリとしましたが、「生きることの対極である『死』以外は、何でも自由にやっていいんだよ。そして、あなたが人生でやることは全て『投資』なんだよ」というのが、湯浅さんが息子さんへ伝えてきた、一番大事なことだそうです。
一般的には「投資」というと、金融用語として「手元のお金を何かに投じて、投じた金額よりも高いリターンを得ること」と思っている方が多いと思います。
でも、湯浅さんが息子さんに伝えてきた「投資」とは、「お金に限らず、大切な人生の時間を投じることや、人生における言動=全て投資」ということでした。

お小遣いは、自分の行動や、何かの対価として受け取るもの

菜々歩さんには「ご家庭で、お金や投資についての考え方ってどのように教わりましたか?」と、聞いてみました。

湯浅さんのお家と似ていますね。
私は「お金」については、お小遣いのもらい方を通じて理解を深めたと感じています。
うちでは「お小遣い」って、「子どもだから」と無条件でもらえるものではなくて、自分の行動や、何かの対価として受け取るものでした。「お手伝いをする」とか、「肩たたき券を発行して親に販売する」とか……。


なるほど。
湯浅さんの「あなたのアクション・行動はすべて『投資』だよ」という話と、菜々歩さんが「『お小遣い=お金」は、自分の行動や、何かの対価として手にするもの」というエピソードは、同じ考え方の表裏なのかもしれません。

子どもが最初に触れる自分のお金はお小遣いですから、子どもが最初に「お金」ってどんなものだろう?と考えるとき、自分のお小遣いについての考えが、「お金」への理解にそのままつながるのかもしれません。家庭でのお小遣いは、「小学1年生だから毎月100円、2年生は毎月200円……」という、年齢に応じた金額を親が子にあげる方式のご家庭も多いと思います。この方法だと「お小遣い=親が無条件で与えてくれるもの」で、「お金は親が一生懸命働いて稼いだものだから、お金は大事。限りがあるし、無駄遣いはしないように」と言葉で伝えて、お小遣い帳をつけたりして、「お金の使い方」を学ぶことができますね。日本の一般的な家庭でのお金の教育なのかなと思います。
でも藤野家の方式だと、「お金の使い方」というよりは、「お金」は自分の行動や、エネルギーを投じて得るもの、という「お金に対する価値観」を学ぶことができますね。
お小遣いのあげ方によって、「お金は、自分の行動や、何かの対価として受け取るもの」という価値観が、子どもの頃に自然と身につくかもしれない、と思いました。

「お金・投資」を教えるタイミングを見計らう…そんなの無理!

一方、湯浅さんは「子どものうちの特権」として、お小遣いは息子さんに毎月一定額を渡してきたそうです。
……あぁ、少しホッとしますね……。藤野さんのご家庭のようなお小遣いの渡し方が“絶対”の正解ではない、のですね。
ご家庭ごとの価値観や、取り組みやすい方法を選択すればよいのでしょう。

お小遣いの話の後、菜々歩さんは稼いだお小遣いを外貨に交換して差益を稼ぐ経験を通じてお金の価値が毎日変動することを体感した話や、湯浅さんの息子さんはお小遣いを毎月3000円、コツコツと積み立て続ける経験を通じて、長期つみたての効果を実感していると話してくれたエピソードなどが続きました。

私は当日、司会進行役として座談会に参加していたので、湯浅さんと菜々歩さんの話をちょっとまとめるつもりで、何気なくこんな発言をしました。

ここまでお二人からお話しを伺っていると、「お金」や「投資」に対する価値観や、細かいことには口を出さずに子どもの自主性を育むような教育方針は共通していますが、各家庭での「お金」や「投資」について学ぶための具体的な取り組みや、それを始めるタイミングは、それぞれ微妙に違いますね。
……きっと父親である湯浅さんと藤野さんが、お子さんの性格や個性に合わせて適切なタイミングを見計らって、適切な方法を提供しているんでしょうね~。

「いやー、さすが湯浅さんと藤野さんだなぁ。きっとお子さんの元々の性格や、環境なんかも総合的に加味したうえで、ベストなタイミングで、一番いい方法をお子さんに提供してあげたのだろうな~」と、私は安易に理解したような気になっていました。
すると、湯浅さんが爆笑しながら、「あのねぇ、井波さんね~……」と、私をたしなめるように優しく話し始めました。

タイミングを見計らう、って簡単に言うけど、そんなに僕は賢くないのよ。わかんないの、タイミングなんて!いい意味で偶然だよ!
大事なのは、普段からコツコツと話をし続けることじゃないかな。
日ごろからお金や投資について話をするような関係性の中で、子どもの方から「実はこうしたいと思っていて……」と言ってきたときに「ああ!それならこういう方法があるよ」と、応えてあげるといいんじゃないかなと思いますよ。


お金のプロである湯浅さんでも、タイミングは偶然なんだ!と、私は驚いてしまいました。

お客様から事前にいただいたご質問の中にも、「就学前の子供がいます。投資について教えてあげたいのですが、何歳ごろから話をするのがいいでしょうか?」とか、「小学生の子どもにお小遣いで投資をするように話をしましたが、イマイチ反応がよくありません。まだ早すぎたのでしょうか?」等の、タイミングや、年齢に応じた伝え方についての悩みやご質問が、複数寄せられていました。

湯浅さんはこれまでも折々で、息子さんにお金や投資についてお話をしてきたそうです。
そして今年のお正月に、息子さんがお年玉をもらったタイミングで「これまで毎月つみたてしてきたお金で、そろそろ投資を始めてみようかと思うんだけど……」と息子さんが言い出したことをきっかけに、以前から作ってあったひふみの未成年口座「くるみ口座」を使って息子さんが投資をスタートする手伝いをしたそうです。

まぁ確かに、ある日、親から急に「そろそろ大人になる準備として投資を始めよう!初めて投資するなら、投資信託がいいよ!スマホから簡単に口座開設できるよ!」とか言われたら、いくら相手が親でも警戒するかもしれませんね……。
親子で日常的にお金や投資について気軽に楽しく話をしつつ、子どもから何か尋ねてきて、何か大人が手伝った方がいいことがあれば一緒に取り組む、というのが湯浅さん流の子どもへのお金や投資についての伝え方なのかな、と感じました。

子育てそのものが最大の「投資」

「大事なのはコツコツと話し続けること」で、「タイミングはわからない」というのは、つみたて投資の考え方と、とても似ていますね。

湯浅さんは「今日、僕たちの話を聞いてくださっているママさん、パパさんにとっては言われるまでもないことだとは思いますが……」と、話を続けます。

親の役割って「待つ」ということだと思うんです。
最初は親である自分もうまく話せないし、子どもも全然理解してないと思うんですが、いつのまにか、2年、3年……と時が経つと「結果」が出てくるんじゃないかと思うんです。
1カ月とか、短期では「結果」は出ないですよ。
子育てなんて、まさに最大の「投資」じゃないですか。
日常生活の親子の会話1つとっても、一緒にご飯を食べることでも、お小遣いをあげることでも、何でも子育てへの「投資」ですよね。
だから焦らないで。親としてやってあげたいと思うことをコツコツと続けているうちに、安っぽい言い方になっちゃうけど「結果」が出てくると思います。


タイミングについて、お客様からたくさんいただいたご質問の答えになったでしょうか。

私は湯浅さんのこの話を聞いて、とてもほっとした気持ちになりました。

自分がひふみや投資信託の魅力をお客様にお伝えする仕事をしていることもあり、いつか自分の子どもが色々なことを理解できる年齢になったら、お金や投資について上手に教えてあげたい!と、張り切る気持ちがあった一方で、湯浅さんや藤野さんのようには上手に話すこともできないだろうし、うまく伝えられなかったら情けないな、というような不安な気持ちもありました。
しかし、最初はうまくいかなくてもコツコツと繰り返し伝えればいいし、すぐに結果が出なくても気長に構えて、いつか「結果」=子どもからのリアクションがあったときには、子どもの希望や気持ちを受け止めてあげて、できる支援をしたらいい。そう考えると今、私が子どもと向き合う日々の延長の中で、お金や投資のことを伝えていけばいいのかもしれない、と思いました。

子どもからのリアクションを受け止めて、手を差し伸べる

座談会の最後に菜々歩さんが、「ちょっとお金の話からはズレるかもしれないんですが……」と前置きしたうえで、こんなことを話してくれました。

大学受験のときに大好きな世界史の勉強がうまくいかない時期があって、父に相談しました。
父は私の話をじっくり聞いてから、自分が受験生だったときに使い込んでボロボロになった参考書の実物を見せてくれました。それを見て、私もまったく同じ参考書を取り寄せて、父の真似をして参考書がボロボロになるまで中身を丸暗記したら、世界史の成績が武器になるくらいのレベルに上がりました。
父は私の人生にとって長期的な目線で大切なことを話してくれる人だけど、私が困りごとを相談したときは、分かりやすくて具体的な解決策も示してくれたんです。


このエピソードに出てくる世界史の参考書の写真を撮って、菜々歩さんが見せてくれました。左が父である藤野さんの参考書で、右が菜々歩さんの参考書だそうです。
『世界史年代記憶法』 著者:山村良橘 出版社:代々木ライブラリー 発行:1976/1/1

抽象的な話を継続的にすることと、具体的な解決策を提示することのさじ加減こそが、子どもの個性や性格に合わせて、家庭それぞれで検討する部分になるのかなと思います。
菜々歩さんのこの話を聞いて思ったのは、子どもは親に相談したときに、親が具体的に応えてくれたことは、よく覚えているのだな、ということです。
子どもが頼ってくれたときに子どもの想いや疑問、困りごとを受け止めて、一緒に考えてあげられるように、心の準備をしておこうと思いました。

お客様も私も、「投資」が生み出す良い循環の中にいる

働く世代のママさん・パパさんが参加しやすいように、平日の昼休みの時間帯に約30分間という限られた時間で開催した今回の座談会は、あっという間に終了の時間を迎えました。

終了後のアンケートには、参加者の皆様から温かい感想のお声をたくさんいただきました。回答してくださった個人を特定できないように、文言を一部修正したうえで、いくつかご紹介させていただきます。

「登壇者が一方的に答えを伝えるのではなく、話を聞いた参加者も一緒に考えを深められるような場だった。今後の開催も楽しみにしています。」
「実際の子育て経験者、そして子どもの立場からの話しはなかなか聞く機会がないので、とても参考になりました。」
「おもしろかったので、次は2時間くらい話を聞きたいです。」
「ひふみのみなさんのセミナーに参加すると、『完璧じゃなくていいんだ』と、元気と勇気とやる気をもらえます。」


アンケートの回答を読み終わると、私はとてもとてもうれしい気持ちになりました。
「これからもひふみのお客様の役に立ちたい。小さな子どもを育てながら働いていると大変なこともあるけど、がんばっていこう!」という気持ちが、どんどん湧いてきます。

座談会の冒頭で、湯浅さんが息子さんに伝えてきたと話してくれた「君が起こすアクション・行動は全て『投資』なんだ」という言葉を思い出しました。
まさに「お客様からの声」が私にとっては「投資」となり、これから仕事をする活力となっています。

レオスは創業以来、「投資」を通じて社会に良い循環を生み出すことを目指して活動して参りました。
それはもちろん第一義的には、ひふみシリーズの運用によってお客様へ経済的な利益を還元することですが、広い意味ではひふみを通じてお客様とコミュニケーションをすることで、なにか利益以外の価値もお届けする、ということだと私たち社員は解釈して日々仕事をしています。
今回の座談会はまさに、経済的な利益以外のひふみ価値をお届けするのが1つの目的でした。そして座談会が終わってみれば、お客様へ一方的に価値を届けるのではなくて、社員である私までが「お客様からの声」を受け取ることで、働く活力を受け取ることになりました。
今回の座談会に参加してくださったお客様も、社員である私も、「投資」が生み出す良い循環の中にいるのではないかと感じています。レオスの一社員として、焦らずにコツコツと、これからも良い循環を生み出す一助となれることを楽しみに働いていきたい、と思いました。

そして新米ママとしても、子どもを育てるという「最大の投資」を楽しみながら、私と同じような境遇の子育てをしているお客様が、投資も子育ても楽しめるような情報発信を続けていけたらと思っています。

長くなりましたが、ここまで読んでくださったママさん、パパさんはありがとうございました。
人生最大の投資となるであろう子育てをしつつ、ぜひ、ひふみでの「投資」も一緒に楽しんでいただけたら、なによりもうれしく思います。

【オンラインセミナー アーカイブ】レオス公式YouTubeチャンネルで限定公開中!
今回、この記事で取り上げた「親子とお金」座談会~副社長と社長の娘に新米ママが聞いてみた~の動画アーカイブは、ひふみで口座をお持ちの方には、無料で公開しています。
以下の2つの方法でぜひ視聴してください。
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ぜひ楽しんでいただけると嬉しいです。

※当記事のコメント等は、掲載時点での個人の見解を示すものであり、市場動向や個別銘柄の将来の結果を保証するものではありません。ならびに、当社が運用する投資信託への組み入れ等をお約束するものではなく、また、金融商品等の売却・購入等の行為の推奨を目的とするものではありません。


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