投資信託はどう選ぶ?投資信託のパフォーマンス比較を考える(中編) 【投資と上手に付き合う方法 #12】
この記事のポイント
- シャープレシオとは
- シャープレシオの意味
- シャープレシオはどこで確認できる?
- R&Iファンド大賞
<プロフィール>
友利 駿介(ともり しゅんすけ)
沖縄県宜野湾市出身。
大学卒業後、2016年から国内大手資産運用会社で勤務した後、レオスやひふみの理念に共感し、2019年レオスへ転職。レオスでは経営企画を経験した後、現在は営業本部付。日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)。
シャープレシオとは
「投資と上手に付き合う方法」の第12回です。前回に引き続きパフォーマンス比較を考えていきたいのですが、今回はシャープレシオという指標を中心にお話しします。
最初にシャープレシオの計算式をお示しします。
まず、「無リスク資産」とは?ですが、こちらはほぼリスクのない資産に投資をした際に得られるリターンということです。
皆さんからすると、個人向け国債や銀行預金の金利がイメージしやすいと思います。国の破綻、銀行の破綻というリスクがゼロではないですが、元本保証のない投資信託等に比べたらはるかにリスクは小さいですよね。
なお、この記事では簡単にシャープレシオを計算するために無リスク資産のリターンをゼロとしてしまいます。
シャープレシオの意味
いくつかの例を見ながら、シャープレシオの計算式の意味について考えてみましょう。
A、B2つのファンドがあるとして、それぞれリターンは同じ年率20%、ファンドAのリスクが年率20%、ファンドBのリスクが年率10%だとします。
ファンドA、Bのシャープレシオは以下の計算式のとおりそれぞれ1.0、2.0になります。
この例のように、シャープレシオの計算式は、リターンが同じならリスクは小さければ小さいほどよいということを示しています。
次は、リスクがファンドAと同じ年率20%である一方で、リターンがファンドAよりも低い年率10%であるファンドCのシャープレシオを計算してみましょう。
ファンドCのシャープレシオは、ファンドAの1.0よりも低い0.5ですね。したがって、シャープレシオの計算式は、リスクが同じなら、リターンは高ければ高いほどよいということを示しています。
まとめると、シャープレシオとは、リスクが小さければ小さいほど、リターンが高ければ高いほど数値が高くなる指標ということです。ほとんどの方が、よりリスクが小さく、よりリターンの高いファンドに投資したいと思っているでしょうから、シャープレシオが高いほど、より優れた商品ということができます。
シャープレシオはどこで確認できる?
このシャープレシオですが、当社も加入している一般社団法人投資信託協会が提供している投信総合検索ライブラリーで確認することができます。
投信総合検索ライブラリー内のひふみ投信のページで「運用情報」のタブを選択すると、リターンに相当する騰落率、リスク(標準偏差)、シャープレシオの期間別の数値が表示されます。気になるファンドがあれば、投信総合検索ライブラリーを活用してシャープレシオを調べてみるのも参考になるかもしれません!
R&Iファンド大賞
R&Iファンド大賞2022「投資信託10年部門」の選考方法について
「投資信託10年部門」は過去10年間を選考期間とし、シャープレシオによるランキングに基づき、最大ドローダウンを加味したうえで選考しています。表彰対象は償還予定日まで1年以上の期間があり、残高がカテゴリー内で上位50%以上かつ30憶円以上であることが条件です。選考対象は国内籍公募追加型株式投信とし、「投資信託10年部門」は確定拠出年金専用およびSMA・ラップ口座専用以外を対象にしています。評価基準日は2022年3月31日です。
次回、後編では、シャープレシオの応用編としてシャープレシオがなぜ重要なのかについて考えてみたいと思います。
※当記事のコメント等は、掲載時点での個人の見解を示すものであり、市場動向や個別銘柄の将来の結果を保証するものではありません。ならびに、当社が運用する投資信託への組み入れ等をお約束するものではなく、また、金融商品等の売却・購入等の行為の推奨を目的とするものではありません。
※「R&Iファンド大賞」について、当該評価は過去の一定期間の実績を分析したものであり、将来の運用成果等を保証したものではありません。
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