未上場企業への投資、始まる。【ひふみクロスオーバーpro 商品説明会】
2024年12月8日に開催されたひふみアニュアルミーティング。
東京国際フォーラムにて、年次運用報告だけでなく、投資に関する様々なテーマを基に個別ブースを設け、お客様のご興味に応じたコンテンツを提供できるよう工夫しました。アニュアルミーティングのレポートは前編にてご紹介しております。
さて、レポートの後編では同日の午後に開催された「ひふみクロスオーバーpro 商品説明会」について、マーケティング部の深澤が参加者の目線で振り返ります。素晴らしいゲストの皆様とともに改めて感じた「ひふみクロスオーバーpro」の魅力を、当日お越しいただけなかった方にもお届けできれば幸いです。
ひふみクロスオーバーproとは
開場直前、受付前のスペースでは大勢のお客様がお待ちいただいていました。商品説明会には121名がご来場され、遠方からお越しいただいたお客様もいらっしゃいました。
最初のセッション、「ひふみクロスオーバーproとは」では該当商品のファンドマネージャーである藤野英人と株式戦略部 松本凌佳、プロダクトマネージャーであるレオス営業部 山本健太が登壇しました。
「ひふみクロスオーバーpro」とは、2024年9月12日に設定されたレオスの新しい公募投資信託です。その名の通り、未上場企業と上場企業の境界を越えた「クロスオーバー投資」を実現する投資信託であり、日本では2024年に登場したばかりの新しいタイプの金融商品です。そもそも未上場投資自体、私個人として当然経験がありません。ぼんやりとしたイメージしかなかったので「クロスオーバー投資」とは一体何なのか、理解するのに時間がかかりました。「クロスオーバー投資」についてはひふみラボnoteで、マンガでわかりやすく解説しています。
ひふみクロスオーバーpro 未上場投資への挑戦!
https://labo.rheos.jp/n/ne0ebb748fa35
日本の未上場企業の課題
藤野はこの「クロスオーバー投資」について10年前から考え始め、経済産業省や金融庁とも議論を重ねてきたといいます。今では誰もが知る有名企業が未上場だった時に「ひふみで投資をしてほしい」と相談がきたそうです。しかし当時の法規制では公募投信を用いた出資は実現できず、代わりに海外の金融機関が出資してしまい悔しい想いをしてきた経験があるとのこと。「ひふみクロスオーバーpro」は悲願の商品といえます。
「日本の未上場企業において上場直前で成長が鈍化してしまう問題を、メディアは米国と比較し、日本人の能力や起業精神が及ばないからだという。でも実は、制度が未熟なのが原因で成長できないのだと思う」と藤野はいいます。未上場企業が上場する段階できちんとお金が入るようになって、上場直後に株価が下落する「死の谷」を克服することができれば、伸びる会社がたくさん出てくるかもしれない。それは投資される未上場企業にとっても、レオスにとっても、お客様にとっても良いことです。また「ひふみ投信」がこれまで担っていた「日本を根っこから元気にする」というコンセプトとも通じるうえ、より進化させた商品のように感じています。
また、このセッションの後半には藤野と松本の師弟関係が垣間見えました。当初、藤野が松本に対してクロスオーバーproの運用担当を持ちかけたときに、一度は断られたようです。しかし、藤野は次のように説得をしたようです。
1. 上場企業を見るファンドマネージャーは多いが、クロスオーバー投資を担う者は少なく、早い段階で第一人者になれる
2. 未来の上場企業の「未上場時の姿」を知ることできるアドバンテージを得られ、業界をリードする存在になれる
58歳の藤野と25歳の松本という親子ほどの年齢差を超えた信頼関係と情熱が感じられるエピソードでした。
ゲストの皆様とのセッション
2つ目のセッションでは、今回の「ひふみクロスオーバーpro」のイメージイラスト「ビジョンピクチャー®」を制作いただいた妄想アーキテクツ株式会社 代表取締役社長 髙松瑞樹様をお招きしました。妄想アーキテクツの皆様とは約半年間にわたり「ビジョンピクチャー®」の制作を行なってきましたので、髙松様からは金融商品のイメージをイラスト化しようと思った意図やその解説をしていただきました。
そして、お客様にも事前に告知していなかったサプライズのプログラム、ひふみクロスオーバーproの2社目の未上場企業 IDOM CaaS Technology(イドムカーステクノロジー)の組み入れが発表されました!同社の代表取締役社長 山畑直樹様が登壇し、金融とテクノロジーを組み合わせた新しいカーシェア事業の説明を行なっていただきました。また、当社の藤野と松本からも出資の決め手を熱く語りました。
上場企業への株式投資と違い、未上場企業に投資した資金は直接事業に使われることになります。ひふみクロスオーバーproからの投資でIDOM CaaS Technologyさんが今後どんな事業を進めていくのか、お客様も興味を持って聞いてくださったのではないでしょうか。
お客様からのQ&Aコーナー
Q:未上場株とはおおまかにどれほどのリターンが見込めるものなのか。
淡路:2012年の業界が厳しい時期でもMOC(投資回収倍率)で3~4倍のリターンが得られたので、他のアセットクラス(※)と見劣りしない実績になっている。
松本:未上場株については、上場できなくなるかもしれない、あるいは簡単に売ることはできないというリスクを背負って投資をしている。基本的には、上場株で再現可能なリターンであれば投資をしないという前提で投資をしている。
※投資対象となる資産(アセット)の分類のこと。国内株式、国内債券、外国株式、外国債券など。
Q:海外の未上場企業に投資をする予定はあるか。
藤野:やりたいが社内のリソースが足りない問題があり、すぐにはやらない。
Q:ひふみ投信マザーファンド50%、ひふみクロスオーバーマザーファンド50%という比率になっているが、なぜクロスオーバーマザーファンド100%にしなかったのか。
藤野:未上場株部分は投資信託全体の15%が上限であることがルールになっている。その規制の問題に加え、運用実績がはっきりして実現可能性がなければ販売しづらい問題がある。ひふみ投信マザーファンドのこれまでの運用実績があることで、未上場株を組み込んだとしても実現可能性がある程度担保され、多くの方に理解していただきやすくなる。なので、販売しやすく、リスクも比較的抑えた方法でローンチした。今後規制緩和され、未上場部分の割合を上げることができるようになり、当社のクロスオーバーマザーファンドの実績も積み重なれば、そのような新たな商品を組成することができるようになるだろう。
クロスオーバー投資というまったく新しいファンドに挑戦した私たち。組成の過程で多くの社員の努力があったことは身をもって体感していましたが、これまでのひふみシリーズを長期にわたってご愛顧いただいたお客様に支持されるのか、その価値や社会的意義をきちんとお伝えできるのか、正直心配していた気持ちもありました。
しかし、この度の新商品説明会で熱のこもったレオスメンバーのプレゼンや、ご登壇いただいたゲストの皆様の魂のこもったお言葉、そしてわずかな時間ではありましたがお客様との関わりを通じ、改めてこのファンドを育てていこうという想いが強くなりました。
これからも新たな未上場株を発掘し、皆様にお届けしたいと思います。
改めて当日お越しいただいた皆様、ありがとうございました。(レポート担当:マーケティング部 深澤)
ひふみクロスオーバーpro 商品説明会の様子は、YouTube「レオス・キャピタルワークス【投資信託「ひふみ」公式】」チャンネルでもご覧いただけます。
>>>ひふみクロスオーバーpro商品説明会【ひふみクロスオーバーproとは?】
>>>ひふみクロスオーバーpro商品説明会【表紙イラストに込めた秘話】
>>>ひふみクロスオーバーpro商品説明会【社長のホンネ~企業から見たファンドの存在とは?~】
>>>ひふみクロスオーバーpro商品説明会【サプライズ投資発表 株式会社IDOM CaaS Technology様】
>>>ひふみクロスオーバーpro商品説明会【質疑応答】
※当記事のコメント等は、掲載時点での個人の見解を示すものであり、市場動向や個別銘柄の将来の結果を保証するものではありません。ならびに、当社が運用する投資信託への組み入れ等をお約束するものではなく、また、金融商品等の売却・購入等の行為の推奨を目的とするものではありません。