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運用部メンバーインタビュー

代表取締役 会長兼社長
最高投資責任者(CIO)
藤野 英人ふじの ひでと

野村投資顧問(現:野村アセットマネジメント)、ジャーディンフレミング(現:JPモルガン・アセット・マネジメント)、ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントを経て、2003年レオス・キャピタルワークス創業。中小型・成長株の運用経験が長く、ファンドマネージャーとして豊富なキャリアを持つ。「ひふみ投信」シリーズファンドマネージャー。 投資啓発活動にも注力する。JPXアカデミーフェロー、明治大学商学部兼任講師、東京理科大学上席特任教授。一般社団法人投資信託協会理事。

「カラフルな世界に、気付けば魅了されていた」

僕はもともと、裁判官や検察官を志望していて、お金について語る人やお金を扱う人のことについては、自分とは縁遠い人たちだと思っていました。でも学生時代に司法試験に合格することができなかったので、2年くらいの社会勉強のつもりで、野村投資顧問(現:野村アセットマネジメント)に入社しました。

僕が配属されたのは、中小型株の運用部門。そこには毎日中小企業の経営者たちがやってきて、1時間半くらいずつ、自分で立ち上げた会社の話をワーワーとしてきます。法学部卒で、経済を知らなかった僕は、慣れない“なまぐささ”に面食らう日々でした。

でも、1年、2年と来る日も来る日もそういう人たちと話していると、じわじわ~っと影響されてきて、彼らの言っていることが、だんだんとわかるようになってきます。

そして、入社3年目を迎える頃には、起業家精神のようなものが植えつけられ、司法試験を受けることなんてすっかり忘れて「起業するのとか、リスクをとって挑戦するのって、かっこいいな。僕自身もいつか会社をつくりたいな……」と感じるようになっていたんです。

入社6年半を迎えたとき、武者修行に出るため、実力がより重視される外資系の運用会社に転職します。

人生を決める、大きな決断

ITバブルの追い風もあって運用成績を上げ、32歳の時点で「カリスマファンドマネージャー」と呼ばれるようになりました。

カリスマの“フジノさん”はマーケットのことを何でも知っている、上がる銘柄がすべてわかると言われ、自分はどう振舞えばいいのか、すごく悩んでいました。実態が伴っていないと感じていただけに、注目や嫉妬を浴びるのは苦しみでした。

でも、そんな風に悩んでいた2000年に、信じられないくらい嬉しいことが起きます。

指折りのベンチャーキャピタリストであり、世界大手の電子機器販売会社テレダイン・テクノロジーズの創業者であるジョージ・コツメッスキーさんから、内弟子にならないかというお誘いをいただいたんです。

コツメッスキーさんの研究室で、つきっきりでベンチャーキャピタリストとしての修業をさせてもらえるという、ありえないくらい良いオファーでした。もし受けていたら、これから世界に羽ばたいていく様々な企業の起業支援に携われていたのかもしれません。

でも、結局お断りしました。運用会社で働いていく中で「日本に良い投資信託はないな」ということに危機感を抱いていたので、そのオファーを受ける以上に「日本で良い運用会社を立ち上げ、理想の国民的な投資信託をつくりたい」という想いがあったからです。

国民的な投資信託とは、長期的に運用され、多くの人が、それを保有することによって、ゆたかな生活を送ることができる投資信託だと思います。そんな理想の投信をつくるためには、まずは良い運用会社が必要です。

僕は、僕の理想の運用会社、国民的な投資信託をつくるために、ファンドマネージャーとしての実績を積むことを選択しました。最後まで悩みぬき、苦渋の決断をしたこの2000年が、大きな転機であり、僕の人生を決める選択だったと思います。

いざ、スタートアップへ

2003年、古くから日本の中小型株のファンドマネージャー仲間であった湯浅さん、仕事で関わりのあった五十嵐さんに声をかけ、レオス・キャピタルワークスを立ち上げました。

この二人が絶対に嘘のつけない誠実な良い人であることは、長い付き合いの中で確信していたので、満を持しての立ち上げでした。

僕はレオスのファウンダーでもあり、代表取締役社長でもあり、CIO(最高投資責任者)でもあります。

CIOとして僕が意識しているのは、運用チームにおいては、職人たちをまとめる「親方機能」であろうということです。根本的に僕はあまり、手取り足取り自分のやり方、考え方を教育したりはしません。

それぞれの人が、それぞれの人らしいアナリスト、ファンドマネージャーになっていくことが大切だと思っていて、“フジノさん”のコピーではなく、ライバルになってほしいんです。優秀で意欲的な人たちが自由に働くことが、マーケットや世の中の多様性に対する懐の深さになっていくからです。

そして、社長として最も大切にしていることは、“良い人が、好きな人と楽しく働ける場”を保ち続けていくことです。

良い人とは、通勤途中で倒れているおばあさんに出会ったら、何の躊躇もなく助ける人です。そこで「遅刻するから」とか「大事なミーティングがあるから」とか、仕事との天秤にかけるような人は、僕らの会社の人ではありません。

良い人は、良い仲間を見つけていくため、長期的に良い方向へ向かいます。僕たちの会社で働いている人が「良い人」でなければ、良い運用会社ではなく、良い投資信託をつくっていくことはできません。良い人たちが働いているということが、僕らの存在意義なんです。

良い人が働いている運用会社は、良いお客様と出会います。

“よい運用会社”として目指す、これからのコミュニティファンド

ひふみ投信は、僕にとって起業を志してからの15年間の想いが詰まった商品です。そんな商品をここまで大きくしていけたのは、ひふみをいつも支えてくださっているお客様の力でもあります。

以前、良質なキャンプ用品の製作会社であるスノーピークの山井社長(当時)が、ひふみ投信を「コミュニティファンド」だと評してくれました。

コミュニティには、仲間がいます。社員であり、投資先企業であり、ひふみ投信に長期的な目線で関わってくださっているお客様が、僕の仲間です。

金融市場は、市況に応じて、ほとんどの株価がいっせいに下がるときがあります。でも、そんな下げ相場であっても、ひふみの長期的な視点を理解してくださり、信じて持ち続けてくださるお客様が多くいらっしゃいます。

お客様も含めた、本当の仲間たちと一緒に理想の投資信託をつくりあげていくことが、僕の今の目標です。

(最後に、お客様に一言お願いします)

今まで支えてくださっているお客様にとっても、これから仲間として関わってくださるお客様にとっても、大切なお金を預けるに足る会社だと思っていただけるよう、僕たちは運用に貪欲であり続け、ベストを尽くしてまいります。

いつも本当にありがとうございます。

これからも末永く、よろしくお願いいたします。