運用メンバーインタビュー

経済調査室 マーケットエコノミスト橋本 裕一はしもと ゆういち

2013年慶應義塾大学経済学部卒業。地方銀行に入行し、法人融資や金融商品の販売に従事。 2018年2月レオス入社。パートナー営業部にて、販売会社様とのリレーション構築、セミナー・研修講師、機関投資家向け資料作成などを担当。 2020年4月より経済調査室にてマクロ経済や株式市場の調査を行なう。

「リサーチの仕事は、趣味の延長のような楽しさです」

実は、調理師免許を持っています。学生時代に飲食店でのアルバイトをきっかけに料理が楽しくなり取得しました。自分がやって来たことを何かの形に残せたり、誰かに証明できたりするのが嬉しくて。自分の考えや目に見えないものを表現して形にしたいという思いがあります。
経済という複雑で見えにくいものについても、これから自分の名前でレポートや情報を発信して、お客様の目に見える形で伝えていけたら面白いですね。

ポジティブの循環を作りたくてレオスへ

新卒で地方銀行に入行しました。法人融資や金融商品に関してバリバリ営業をしていたのですが、当時の私は半年、1ヶ月、1日といった短期間の目標達成ばかり目指しがちで、「これって楽しいんだろうか」と思うこともあり、仕事の本質をうまくつかめていませんでした。

そんな時、藤野が採用について話している記事を読みました。藤野は、「レオスは好きな人と楽しく働く」と語っていて、心に響くものがありました。
当時の私を含めて、世の中の多くの人が、心の底ではそうあれたらいいと思っていても、現実は無理だと思っている。一方、レオスは、会社のあり方や社員自身も、好きなことを仕事にし、仕事に楽しく向き合っている感じがしました。

また、レオスを知るなかで、「日本人をもっとポジティブにしたい」と思うようになっていました。なんとなく、日本は新しいモノが受け入れられにくく、失敗に不寛容なところがあるなと感じていたので。自分以外の他人や不確かな未来を信じる「投資」が広がれば、よりポジティブな雰囲気が日本に広がるのではないかな、と。投資が増えて、資本市場も厚みを増して、面白い会社がたくさん出てきて、世の中が楽しくゆたかになる…。そんな循環を作りたいと思ったんです。
もともと私自身がネガティブ思考だから、余計にそう思うのかもしれませんけどね(笑)

そんな思いがあったので、藤野がSNSで「金融機関で営業経験のある人を募集しています」と投稿しているのを見て、直接メッセージを送りました。私は普段あまり即断即決するタイプではないのですが、その時はすぐに行動しましたね。

経済調査の面白さはあらゆることに繋がっているところ

子どもの頃から好奇心旺盛な方で、自分の興味に基づいて勉強して、知識を得るのが好きでした。
レオスの運用チームは、アナリストが多数をしめ、ファンドマネージャーがまとめています。そのなかで、マクロ経済や株式市場のデータ、財政・金融政策などで、アナリストが手の届きにくい部分をカバーして調べるのが経済調査室です。

自分のデータや考えが、銘柄調査のヒントになったり、ポートフォリオマネージメントのアイディアに繋がったりすることを心がけていますが、これまで経済調査という仕事をしてみて、あらゆる勉強が役に立つと感じています。

政治や経済の勉強はもちろんですが、他にもデータ分析のスキル、数学的な考え方、統計学的な考え方も必要です。また、経済とは一見全く関係がないような、哲学や人類学、心理学など、人間について理解するような分野も有益だと思います。
あらゆることに興味を持って、勉強したことが役立ってくるという面白さが、経済調査にはあります。

手堅く粘り強く、棋風に出る「らしさ」

勉強したいことはたくさんあるのですが、つい将棋の本に手が伸びてしまうくらい、将棋が好きです。将棋の棋風には性格が出ると言われますが、私の棋風は「手堅く粘り強い」とレオスの将棋部メンバーには思われているようです。

将棋はひとつの局面で約80通りの指し手があるといわれ、どの手を指すか何度も何度も考えます。それでも形勢が悪くなってしまった時には我慢して粘ると、相手がミスをしたり焦ったりして、逆転の芽が出てくるんです。将棋に限らず、物事はなかなか自分の思い通りにはいきません。悪い状況でもしっかり我慢して、逆転できる可能性を待つのも私の棋風でしょうか。

棋風は仕事にも表れていますね。ただ、堅実なところは、良いところも悪いところも両面あると思います(笑)
株式投資の世界では、情報の正確さも大事ですが、速さも非常に大切です。特に最近は、従来の政府統計や企業情報よりも早くデータが取れるような、オルタナティブデータなどもよく見ていて、情報の新鮮さを重視しています。マーケットは常に一歩先、半歩先を織り込んで動くので、正確さを求めるあまりあの手この手を検討していると乗り遅れてしまう。正確さはある程度までにして、スピードも今後は意識していきたいです。

自分のスタンスを表す大切な言葉

棋風にも通じていると思いますが、私が大切にしている言葉のひとつに、“CHANCE ONLY FAVORS THE PREPARED MIND”という言葉があります。フランスの細菌学者・パスツールの言葉で、「幸運は、準備のできた精神の持ち主に訪れる」という意味です。

まだ10代だった頃、塾の恩師が入試前最後の授業で英文解釈の題材として、そして私たちへの応援メッセージとしてくれた言葉です。色々なことに取組む時の自分のスタンスと一致している、心に刻まれた言葉です。

(最後に、お客様に一言お願いします)

経済調査室での役割は大きく分けると二つあると思っています。
ひとつは良いリサーチをして、ひふみのパフォーマンス向上に貢献すること。
そしてもうひとつが、お客様に世の中で今何が起きているのかをお伝えし、投資の面白さを感じていただき、私たちについてより深く知っていただくことだと思っています。
これからもそういった部分で貢献できるよう努力をしていきますので、どうぞよろしくお願いします。