運用メンバーインタビュー

株式戦略部 兼 小型株戦略室 ファンドマネージャー大城 真太郎おおしろ しんたろう

2014年、東京大学大学院工学系研究科修了。新卒で三井住友アセットマネジメント(現三井住友DSアセットマネジメント)入社。投資顧問経理に従事後、国内外株式インデックスやクオンツファンドの運用・開発、データを活用した新規運用手法の開発に従事。2021年3月、一橋大学大学院経営管理研究科修了、同研究科博士後期課程へ進学。2021年3月にレオス・キャピタルワークス入社。株式戦略部にて企業調査に従事。

「調査する一社一社から社会との繋がりを感じています」

私は、現在日本株を中心に、さまざまな業種の企業調査をしています。経済や技術が成熟した現代日本においても、未だに人々に必要とされる新興分野がこれだけあるのかという感動があります。これまでの自分には見えていなかったビジネスチャンスがたくさんあるなと。一社一社を調べるたびにそういった情報に触れることで、自分自身が「生きている」、「社会の中にいる」と感じることができるのがこの仕事の楽しさだと思います。
資金不足で日の目を見ない技術を目の当たりに

私はもともとバイオベンチャーや化学メーカーなどの技術に興味があり、学生時代は医療と工学の融合分野の研究をしていました。当時は「技術屋さんが日本を創っている」と思っていましたので、将来は研究者として日本を支えたいと考えながら研究に取り組んでいました。
そんな私が研究職から運用業界に興味を持ったきっかけは、大学院時代に目の当たりにした技術研究とお金の問題でした。

誰かが創った技術でベンチャー企業を立ち上げるとなると、急にお金の話になる。技術はあるのにお金がなくてダメになってしまった会社を見聞きするようになりました。当時私が研究に使っていた実験機器も1,000万円はするので、当然お金がないと買えない。研究室ではそういう場面を目にするので、おのずとお金について考えるようになりました。
「このまま研究だけを続けても、会社は大きくできるかもしれない。しかし、より広く技術のことを考えれば、高い技術を持った将来有望な会社に投資をすることで社会全体を大きくできる」という想いを抱き、その頃から運用会社に入りたいと思うようになりました。

社会を作る投資を実践したくて

大学院卒業後、念願の運用会社に就職することができました。学生時代の経験から、投資は「技術や社会の変革を支える基礎」と考えていたこともあり、化学やバイオテクノロジー関連のセクターアナリストになりたいというのが新卒当時の想いでした。
ところが、当時はその会社にほぼ理系人材がいなかったこともあってか、理系出身の私は定量情報を基にポートフォリオを構築するクオンツ運用の部署に配属になりました。
4年ほどクオンツ運用に携わり、そこでの経験も非常に学びのあるものでしたが、いつかはボトムアップリサーチを軸とするアナリストになりたいという想いをずっと持ち続けていました。
その環境を求めて転職を決意したのですが、転職先で担当したのは日本を除く株式のアロケーションでした。残念ながらその会社でも企業調査を担当することができず、アナリストへの憧れを抱きつつ、環境と自分の想いにギャップを感じる日々でした。

そんなときに目にしたのが、レオスの公式YouTubeチャンネルです。当時は外国株を担当していたので、日本株についても手軽に勉強できるものがないと考え、レオスのトレーディング部が配信している市況解説動画で勉強していました。3分程度で市況について学ぶことができるので継続的に視聴していたのですが、チャンネル内のその他の動画も観ているうちに、レオスメンバーが語る投資哲学に感動してしまって。
「長期投資」や「社会を作る投資」など、この業界に入るときに私自身が考えていたことを言葉にしてくれたように感じ「この会社に入りたいな」と強く思いました。
今ではレオスに入社することができて、またアナリストになりたいという8年越しの夢が叶って毎日楽しくて仕方ないですね。

ひふみの新たなピースに

ひふみの運用チームには経験豊富な人材が多いです。経験や知識の領域は人によって違っていて、それぞれの分野のスーパースターがいます。例えるならサッカーチームのレアル・マドリードのような(笑)運用メンバーとの会話は、まるで全部が栄養になって自分自身に吸収されていく感覚です。そんなチームの中で、メンバーがカバーしきれていない領域を私がカバーすることで、ひふみの新たなひとつのピースになれたらと思っています。
実はこの春、社会人大学院の修士課程を卒業して今は博士課程にいます。研究テーマはいわゆるビッグデータです。クレジットカードの利用記録やレジのPOSデータなどを分析しながら、企業の業績に対するインサイトが得られたらいいなと。
昔はデータとはいい難かった情報でも今はデータ化されているものも多い。定性情報と思われていたものが定量情報になっています。例えば、「売れ筋商品」とは、昔は卸に発注をかける商店店長の感覚でしたが、現在はPOSデータから自動的に導かれます。今後もその流れは加速していくと思います。定量情報も扱えて、定性運用も得意になれば相当なアドバンテージを持つことができます。これまで人が行なっていたことが機械に代わり、さらに新しい技術が登場することで、クリエイティビティが生まれてくると思うので。それは世の中を一歩進めることになると思っています。

(最後に、お客様に一言お願いします)

投資運用業は本当に楽しい仕事で、そこで出会えた知識や知見で皆様からお預かりした大切な資産を増やせるように努めます。また、得られた発見や知見、そして企業や社会に触れる楽しさをお客様とのコミュニケーションを通じて還元したいと思います。今後ともよろしくお願いします。