代表取締役副社長湯浅 光裕ゆあさ みつひろ
1990年ロスチャイルド・アセット・マネジメント入社、1993年日本株運用ファンドマネージャー就任、ロスチャイルドグループが海外で募集したユニットトラスト、年金資金の運用を担当する。2000年、ガートモア・アセットマネジメント入社、中小型株ファンドの運用担当。2003年、レオス・キャピタルワークス創業、取締役就任(現任)。シニア・ファンドマネージャーとして活躍、国内外資産運用業界について造詣が深い。
「初めての投資は、半分にわけたお弁当だった」
小さいとき、お友達みんなで遊んでいたら、一人だけお弁当がない子がいたんです。転校生の子でね、今日はお弁当がいるよってみんな言い忘れちゃったんでしょうね。
僕は迷わず、お弁当を半分「はい」って、その子にあげたらしいんです。僕自身はあんまり覚えていなかったんですけど、後日、その子のお母さんから、「あのときはありがとう」って鉛筆を1ダースもらったんだそうです。
僕のあげたお弁当は、鉛筆になって返ってきたんです。これがきっと、僕の初めての投資だったと思います。
僕は新卒でロスチャイルドという世界的な運用会社に入社したんですけど、もともとは「運用がやりたい」と思って入ったわけではありませんでした。
日本の大学卒業後、ニューヨークの大学院へ進学したこともあって、周りの学生と就職活動の時期がずれて困っていたんですよ。そんなときに、姉の紹介で中途採用を専門にしているヘッドハンターを利用したんです。
いくつか紹介された候補の中で、ロスチャイルドへ面接に行ってみたら、とっても綺麗なオフィスで、白い扉に、金色のフチがあって、ロゴがバーンってあって。
ロスチャイルドのことはほとんど知りませんでしたし、ファンドマネージャーという仕事についても、そのとき初めて知ったんですけど、そこで働いている人の話を聞いて面白そうだなと思って、入社することを決めました。
初めてファンドマネージャーを担当させてもらったのは、香港の牧師さんの協会グループのお金でした。そのお金の運用には、豚肉や生肉の加工・販売する会社に投資してはいけないという、牧師さんのファンドだからこその投資制限があったんです。
このとき、感じました。お客様からお預かりするお金には、意志があるんだ、と。投資って、大切だし、世の中のためにも自分のためにもなる活動なんですけど、だからといってどんなことをやってもいいというわけじゃないんだって。
投資には単なる資産運用という側面だけではなく、自分たちの持っている価値観や人生の課題に、共感・賛同してくれる人にお金を託して運用してもらう、という側面もあるんです。
だから、お客様からの資金をお預かりするときに、「僕たちはこういう投資をします」という約束をしなくてはいけません。僕たちが運用しているのは、お金に込められた、お客様の意志だからです。
ロスチャイルドに入社して10年が経って、35歳になった僕はふと「外から見た僕の価値って、どれくらいなんだろう?」ということが気になりました。
それで、転職してみたんです。お給料も上がったし、環境も変わって新鮮でしたね。
でも、入社して2年が経ったころ、親会社が変わって、それまでの長期的な目線での運用から、短期的な利益も重視されるヘッジファンドへ運用方針が変わったんです。ヘッジファンド担当のファンドマネージャー以外は全員辞めることになってしまいました。
そんな矢先、日本の中小型株を見ているファンドマネージャー仲間だった藤野さんから連絡がきて、「僕たちの会社をやろう!」と誘われました。
「いつか、自分たちの純粋な意志で投資をするために、独立した運用会社をやりたい」というのは、僕もずっと考えていたことでした。だから、すぐにOKしたんです。
僕たちは、日本の投資信託をつくっている運用会社の中で、唯一無二の運用会社になりたいと考えました。だからまずやったのは、経営理念を考えることです。
「資本市場を通じて社会に貢献する」という理念にたどり着くまでに、半年かかりました。
世の中への社会貢献を、実現する投資ができる場をつくること。つまり、そのままだけど「資本市場を通じて社会に貢献する」ことが、僕たちのお客様への約束なんです。
ひふみシリーズは、お客様の将来設計をサポートするひとつのツールであると同時に、世の中の仕組みを知るひとつのツールであってほしいと願っています。
投資は人。お金じゃない。実際に投資するのはお金なんだけど、人が人を信用してお金を媒介にして気持ちを伝えている、それが投資だと僕は思っています。
結局投資によって、世界中の人たちが、ゆたかに、安全な生活を送ることができる世の中をつくる、というのが、投資の本質だと思うんです。
いろんな考え方があってしかるべきだし、お客様ご自身で考えていただくことがきっと大切だと思います。
僕たちは、僕たちの考える投資を続けていくことをこれからも約束しながら、お客様と関わっていきたいと考えています。
(最後に、お客様に一言お願いします)
いろんなセミナーでいろんなお言葉をいただいて、常に反省、常に実行しています。
そしてこれからも、変わらぬ私たちに対する興味を持ち続けてください。それが、私たちの原動力です。
いつも、本当にありがとうございます。