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何をいくら買ったらいい? 「投資のリスク」を考える【投資と上手に付き合う方法 #2】

投資運用会社レオス・キャピタルワークスの社員である友利が、SNSなど皆様の身近なところで目にする投資信託に関する話題から、投資と上手に付き合う方法を考えていく連載です。連載を通じて、皆様の投資や投資信託に関する理解が深まることを目指しています!前回の記事はこちら

この記事のポイント

  • 大きすぎるリスクは長期投資の大敵
  • リスクの大小=手に汗をかくかどうか
  • リスクを調整して手に汗をかかない投資を
  • まずは少額から投資をしてみるのも一手

<プロフィール>
友利 駿介(ともり しゅんすけ)
沖縄県宜野湾市出身。
大学卒業後、2016年から国内大手資産運用会社で勤務した後、レオスやひふみの理念に共感し、2019年レオスへ転職。レオスでは経営企画を経験した後、営業本部に異動し、現在はダイレクト営業部、パートナー営業部、未来事業室を兼務。日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)。

大事なことはリスクの大きさ

「投資と上手に付き合う方法」の第2回です!初回をご覧になっていただいた方、誠にありがとうございます。
今回は、「投資のリスク」というテーマについて語ってみたいと思います。

投資をしていると、日々の値動きで一喜一憂してしまうという方は多いのではないかと思います。株式市場が大きく下落したタイミングでは、SNSでも不安のお声をよく目にします。
この一喜一憂や不安といった心の動きと密接にかかわるのが「リスク」です。

リスクは、単純に値動きの大きさと表現されたり、少し難しい言葉で不確実性と表現されたりしますが、なかなか感覚的に理解することが難しい言葉です。ただ、リスクを考える点で最も大事なことはあなたにとってリスクが大きいか小さいかです。今回は、リスクの大小というポイントに絞って記事を書いてみたいと思います。

※ひふみ投信では毎月の運用報告書である「ひふみのあゆみ」でリスクの数値を公開しています。「ひふみのあゆみ」では、リスクを「様々な金融商品の、過去一定期間の値動きの大きさ小ささを計測した値であり、未来の投資収益における不確実性(価格変動の大きさ)の目安になる参考指標」と表現していますね。

大きすぎるリスクは長期投資の大敵

前回、ずっとひふみ投信を保有していた方が基準価額の値動きを見て売買を繰り返すよりもリターンが高い可能性があるという記事を書きました。
ただ、長い期間ずっとひふみ投信を保有し続けることは、方法としてはすごく簡単なのですが、精神的に難しい場合があるとも思います。

投資信託に大きな金額を投資しているとき、基準価額がこれから大きく下がって大きな損失が出てしまったらどうしようと不安な気持ちになるのは自然なことです。
不安な気持ちを抱えて投資がストレスになってしまっている状況だと、10年、20年ずっと投資を続けなさいと言われても嫌ですよね。

値動きを追うのがストレスでもう投資をやめたい!と思われる方は、ご自身にとって大きすぎるリスクを抱えてしまっている可能性があります。
せっかくリターンを狙って投資を始めたのに、値動きがストレスになって投資の期間が思ったよりも短くなってしまうと、本来得られたはずの利益も失ってしまう可能性があります。大きすぎるリスクは長期投資の大敵ということですね。

リスクの大小のとらえ方は“人それぞれ“

リスクの大きさが大事ということですが、いきなり元も子もない話をしてしまうと、リスクの大きさをどうとらえるかは人それぞれ違います
リスクの数値は計算によって具体的に表すことができますが、その数値が大きいと思うか、小さいと思うかは、その人の性格やその人が置かれている状況、投資する金額などに大きく左右されます

ここからは、「手に汗をかく」というキーワードを使って、この記事を読まれているあなたにとってのリスクの大小の測り方を考えてみたいと思います。

手に汗をかくかどうかをリスクの尺度にしてみる

仮に、あなたの月々の収入が25万円で、全財産が500万円だとしましょう。その全財産500万円をすべて銀行の普通口座に預けた場合と、全財産でひふみ投信を購入した場合、想像してみると、どちらが手に汗をかく感じがするでしょうか?

銀行預金は、今はほとんど利息が付かない一方で、元本は保証されています。対して、ひふみ投信はまれに1日5%を超える値動きをすることがあります。1日で5%下落すると500万円分保有していたら1日で減少する資産額は25万円。1日で月々の収入と同じくらいの金額がなくなってしまう可能性があるのは、手に汗をかく感覚があるという方もいらっしゃるかもしれません。もちろん、全財産でひふみ投信を購入しても平気という方もいらっしゃるでしょうが、これも人によるということですね。


ひふみ投信が1日5%以上下落したのは2020年までで13回

このように、投資のリスクが自分にとって大きいか小さいかは、その投資をしたときに手に汗をかく感覚があるかどうかでおおまかに把握することができそうです。

手に汗をかかなくなるために

「投資と上手に付き合う方法」を読まれている方は、投資にご興味があるか、すでに投資をされている方がほとんどでしょうから、損失が出る可能性があっても、銀行預金の利息よりも高いリターンを狙いたいと思われていることでしょう。

この記事の結論は、投資をすると手に汗をかいてしまうから銀行預金にしましょうということではありません!
リスクの大小を測る尺度を手に入れたところで、リターンも狙いながら、手に汗をかかずにすむくらいまでリスクを小さくする方法を考えていきましょう。

リスクを小さくする方法

リスクを小さくする方法はいくつかあるのですが、ここでは、代表的な2つの方法をご紹介します。

①投資金額を小さくする

簡単なことですが、投資する金額を小さくすると、リスクは小さくなります。先ほどのひふみ投信の例ですと、500万円投資すると5%動いた時の変動金額は25万円ですが、投資金額が100万円なら5%動いても5万円しか変動しません。
まれに5万円損失が出るくらいの変動なら手に汗をかかないという方も多そうですよね。
ちなみに、リスクを小さくする方法という面で見ると、一度に全ての金額を投資するのではなく、定期的に一定の額を分割して投資していくつみたて投資もこのカテゴリに入ります。つみたて投資にはリスクを小さくするという点以外にも色々メリットがありますが、この記事では深く立ち入らないでおきます。

②投資先を変える/組み合わせる

価格変動のより少ない投資先に変えてみたり、複数の資産を組み合わせたりすることもリスクを調整する方法として有効です。
一般的には、株式と債券では、債券の方が値動きは小さい傾向にあります。
例えば、投資する資産の中で株式と債券の両方に投資をして、資産のうちの債券の割合を大きくすることでリスクを小さくするという手法も考えられます。

※ちなみに、当社では株式と債券の両方に投資をするバランスファンド(複数の資産に投資をするファンドのことです。)の運用を3月からスタートしているのですが、ご興味があればファンドの詳細を説明したページをご覧になっていただけたらと思います。
ひふみらいと(当社から直接買える商品です。)
まるごとひふみ(銀行や証券会社などの販売会社から買える商品です。)

まずは少額から投資をしてみるという方法も

ここまで、手に汗をかくかどうかを尺度にして考えてきましたが、そもそも投資をスタートしていない方にとって、投資をしている自分が想像できず、手に汗をかくかどうかも分からないという場合もあると思います。
その場合、一つの方法として、少額から投資をスタートするのはいかがでしょうか。
投資をする前に、投資を考えている資産の過去の値動きや類似の資産の値動きからリスクの大きさを把握できれば一番良いのですが、実際に投資をしてみた方が、感覚的にリスクの大きさをつかめる場合もあると思います。
当社の直販の場合、最低投資金額は1,000円です。例えば1,000円からスタートしてみて投資金額が1万円、10万円と増やしたらどうなるかを想像してみるのもリスクを把握する上で有用だと思います。

おわりに

リスクと一言で言っても、実はかなり奥が深く、難しく思われる方もいらっしゃるかもしれません。ただ、長期投資の大敵である不安やストレスをうまくコントロールするためには、ご自身にとって大きすぎるリスクを抱えてしまわないようにリスクの大きさを調整することは大事なことだと思います。
これから投資を始める方も、すでに投資をされている方にも、この記事が参考になれば幸いです!


※当記事のコメントは、個人の見解であり、市場動向や個別銘柄の将来の結果をお約束するものではありません。ならびに、当社が運用する投資信託への組み入れ等をお約束するものではなく、また、金融商品等の売却・購入等の行為の推奨を目的とするものではありません。

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