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投資信託っていくらかかるの? 「投資信託の費用」を考える(前編) 【投資と上手に付き合う方法 #7】

投資運用会社レオス・キャピタルワークスの社員である友利が、SNSなど皆様の身近なところで目にする投資信託に関する話題から、投資と上手に付き合う方法を考えていく連載です。連載を通じて、皆様の投資や投資信託に関する理解が深まることを目指しています!前回の記事はこちら

この記事のポイント

  • 投資信託に投資をするときの費用は何がある?
  • 運用管理費用(信託報酬)は分かりにくい
  • 分かりにくいポイント① いくらかかるかが分からない

<プロフィール>
友利 駿介(ともり しゅんすけ)
沖縄県宜野湾市出身。
大学卒業後、2016年から国内大手資産運用会社で勤務した後、レオスやひふみの理念に共感し、2019年レオスへ転職。レオスでは経営企画を経験した後、現在は営業本部付。日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)。

投資信託に投資をするときの費用は何がある?

「投資と上手に付き合う方法」の第7回です!これまでの記事をお読みになっていただいた方、ありがとうございます!

さて今回は、「投資信託の費用」というテーマです。
投資信託を購入して投資をするにあたって、どれだけの費用を負担しなければいけないのかということです。投資信託の費用にはいくつか種類があります。

次の図は、ひふみラボ内の投資信託にはどんなコストがかかるの?【基礎からわかる投資信託#4】という記事からの引用なのですが、この記事では主に「運用管理費用(信託報酬)」を取り上げようと思います。他の費用についても詳しく知りたい方は、ぜひ引用元の記事も読んでみてください。

信託報酬は分かりにくい

信託報酬は投資信託の費用を考えるうえで最も重要と言ってもよいものなのですが、金融機関に勤務する私にとってもはっきり言って分かりにくいです。そして、仕組みが複雑であるために誤解も多いように思います。
※分かりにくいということは説明もどうしても難しくなってしまうもので、この記事もできるだけ平易に書くように努めますが、難しく感じられる方もいらっしゃるかもしれません。ただ、難しいからと言ってあいまいに誤魔化してさらなる誤解を生むわけにもいかないので、この記事では難しいことも承知で、正面からご説明いたします。アンケート等でご意見やご質問の多かったところなどは追加で記事を作成しながらみなさまの理解をサポートしてまいります。ぜひご理解いただけますと幸いです。

信託報酬の仕組みが分かりにくくなっているポイントは以下の2つだと思います。

信託報酬が分かりにくいポイント
①いくらかかるかが分からない
②どのように支払うかが分からない

この分かりにくいポイントを、実際にひふみ投信の目論見書を見ながら解説していこうと思います。

ひふみ投信 交付目論見書(使用開始日 2021年6月19日)より抜粋

分かりにくいポイント① いくらかかるかが分からない

ひふみ投信 交付目論見書(使用開始日 2021年6月19日)より抜粋



まず、分かりにくいポイント①の「いくらかかるかが分からない」ですが、目論見書では「信託財産の日々の純資産総額に対して年率1.0780%(税抜年率0.9800%)を乗じて得た額。」と記載されています。
これが「年間1万円です!」と実際にいくらかかるかを金額で示してくれたら分かりやすいと思うのですが、残念ながら信託報酬は金額ではなく、比率で表すのが一般的です。
信託報酬の比率のことをそのまま信託報酬率と呼びます。ひふみ投信の信託報酬率は税込年率1.078%ですね。

わかりやすくするために、例を用いて説明していきたいと思います。

例えば、ひふみ投信を100万円購入する場合を考えます。

年率1.078%が日々かかるということの意味は、
1日あたり1.078%÷365日≒0.003%程度かかるということです。
そして、この0.003%は投資家それぞれの投資金額に対してかかってくることになります。
したがって、100万円を投資したら1日あたり100万円×0.003%=30円程度かかるわけです。

投資信託の日々の値動きで投資金額が変動することで、日々の信託報酬の金額も変動します。
基準価額が倍になると100万円だった元本は200万円になるわけですが、そうなると1日にかかる信託報酬の金額も200万円×0.003%=60円程度と倍になります。
逆に基準価額が半分になると費用の金額も半分になります。また、追加購入や売却があっても投資金額が増減するので負担する費用の金額も変わります。

ひふみ投信の信託報酬の金額


※ひふみ投信の信託報酬率は税込年率1.078%です。
※年間の負担金額は投資金額が年間を通じて変化しない場合の概算値を表示しています。

つまり、投資金額が変動する以上、信託報酬の金額は事前には分からないということですね。ざっくりと投資金額×信託報酬率で計算された金額が年間でかかるんだなというくらいで把握しておくのがよさそうです。
先ほどの例なら年間で100万円×1.078%=1万780円くらいの金額をベースに、投資信託の値動きや購入・売却による投資金額の変化で、信託報酬の金額も変わってくると理解していただければと思います。

また、当然のことですが、信託報酬は日々かかるものですから、投資信託を保有する期間が長くなっていけばそれだけ負担する金額の合計も増えていきます

次回は、みなさまが信託報酬をどのように支払っているのか、どうしてこのような仕組みなのかをお伝えします。


※当記事のコメント等は、掲載時点での個人の見解を示すものであり、市場動向や個別銘柄の将来の結果を保証するものではありません。ならびに、当社が運用する投資信託への組み入れ等をお約束するものではなく、また、金融商品等の売却・購入等の行為の推奨を目的とするものではありません。

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