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未来が楽しみになる! 女流棋士に聞いた将棋と投資(後編)

2歳の第一子を育てながら働く営業部の井波が、子どもにお金や投資について、何をどうやって伝えていきたいか、悩みながら考えていく体験談です。今回は、女流棋士で個人投資家でもある中倉宏美さんと島井咲緒里さんにお話を伺いました。なんと中倉さんは中学生の頃に投資を始めたそうで、島井さんは約2年前に投資を始めたそうです。私と同じく子育て中のママさん、パパさんが、子どもにお金について伝え、一緒に考える際のヒントになることを目指して、このコラムを書いていきたいと思います。

<プロフィール>
井波 彩(いなみ あや)
東京都世田谷区出身。
大学卒業後、2013年からメガバンクで勤務した後、レオスやひふみの理念に共感し、2018年レオスへ転職。レオスでは投信計理を経験した後、営業本部に異動し、現在は営業部にてひふみシリーズの直接販売のお客様に向けたコンテンツ作りや、イベント運営を担当。趣味はテニスと読書。

この記事のポイント

  • 長期投資の魅力は「ほったらかしにできる」こと
  • 将棋と投資の共通点は?
  • 将棋にも投資にも正解は無い


皆様こんにちは。営業部の井波です。

前編では、お二人とレオスとのご縁についてと、中倉さんが投資を始めたエピソードをうかがいました。後編では、島井さんが大人になってから投資を始めたきっかけや、将棋と投資の共通点、インタビュー後に私が考えたことをお伝えします。

中倉さんの隣で話を聞いていた島井さんは、ご自身が投資を始めたときのことを話してくれました。

島井咲緒里さん:
私は子どもの頃、お小遣いをもらっていましたがお金についてあんまり深く考えないまま大人になったんです。
でも、数年前に宏美さんから「投資はやったほうがいいよ」とすすめられて、つみたてNISAを始めました。
普段からしっかり者の宏美さんが言うならそうなんだろう、という感じで素直に受け入れました。

島井さんのように、大人になってからお金について考え始めたという人も多いと思います。

島井さん:
つみたて投資なら、最初だけ設定すればあとはほったらかしにして、自動的に投資ができる、というのが私にとっては魅力でした。お金のことを考えるのって、正直言ってちょっと面倒くさいんです。笑
特に私みたいな素人だと、何を買えばいいのか、どう選べばいいか分からないし、少し調べたらすぐに知らない単語と遭遇してしまって、全部理解してから投資しようとすると、投資ができないまま時間だけが過ぎていくんですよね。
だから、最初に口座開設とか、どの商品をいくらずつ買うかだけを決めて手続きしてしまえば、あとは放っておいていい、というつみたて投資は私にはぴったりだなと思いました。

島井さんは中倉さんにいくつか紹介してもらった投資信託の中から、好みだと感じた数種類の商品を選んで、つみたてを始めたそうです。

中倉宏美さん:
咲緒里さんは「面倒くさい」と言っていましたが、とても素直なんです。手順やしくみさえ知ったらちゃんとその通りに行動するタイプなんですよ。

島井さん:
宏美さんとはもう家族同然のお付き合いで、私は掃除とか部屋の片付けも苦手でしたが、宏美さんにやり方を教えてもらったらできるようになったんです。

お二人は長年の友人でもあります。
島井さんが投資を始められたのは、身近に信頼している中倉さんの存在があり、新しいことでもやり方さえわかれば始められる島井さんの行動力があったからと感じました。

将棋と投資の共通点は?

インタビューの最後に、将棋と投資になにか共通点はありますか?とお尋ねしました。

    将棋と投資の共有点は、最初はちょっとハードルが高く感じるけど、やればやるほど本質に近づく、ということだと思います。
    将棋ってぱっと見だと難しそう、という印象が強いですよね。投資も同じく、最初は知らないことが多くて、始めるのに気後れする人が多いですよね。

    言われてみると確かにそうでした。
    インタビューを始める前、見慣れない将棋の駒と盤を前にして固まっていた自分を思い出しました。
    投資を始めたばかりの人も、知らない単語に遭遇したり、値動きを初めて経験すると、戸惑ってしまいがちです。

    中倉さん:
    初心者の方に将棋を教えていて、特に大人の女性は真面目な方が多く、完璧に指そうとしてしまう傾向があります。
    確かに定跡どおりに指す、というのは将棋の基本ではあるんですけど、ルールさえ覚えたら将棋って本来は自由なんです。動かせるところに駒を動かしていって、定跡は指しながら少しずつ覚えていければ良いですね。知らないことや間違えてしまうことは、恥ずかしいことではありません。
    それは、本質的には将棋の指し方に正解はないからです。正解の手というのは誰にも分からないことで、すべての手を知ってから指す、というのは将棋の性質上、無理なんです。
    いろんな手があっていいし、間違える手があってもいいんです。
    私もいまでもたくさん間違えます。間違えない人なんていません。
    結果的に悪い手を指してしまっても、そういうものだ、と受け入れて、次からは同じミスをしないようにしよう、鍛えられた、と思えばいいんです。たくさん指すことで自然と成長します。
    投資も似た部分がある気がします。私の場合は子どもの頃からの体験があったので、自然と親しめていましたが、将棋も投資も、大人になってから始めても十分楽しめるものだと思います。

    島井さん:
    なんでもやってみるのがいいですよね。百聞は一見に如かず、だと思います。
    LPSAでの普及活動も、最初は大会やイベントの企画運営は手探りでしたが、熱意をもって取り組めば、初めての事でも意外とできたというか。
    最初に一歩踏み出してみるのは勇気が入ることですが、まずはやってみる!という気持ちは大事だなと思います。

    お二人は楽しそうに笑いながら、将棋も投資もとりあえずやってみて、しばらく続けてみるのがいいよね、と明るく話してくださいました。

    私たちはよくお客様から「最初はいくら投資したらいいですか?」「つみたてを始めたいんだけど、少額でもいいんでしょうか」といった、金額に関するご質問をいただきます。
    中倉さんと島井さんのお話を投資に例えてみると、最初は少額で、失敗したり損してもあまりダメージがないくらいの金額でしばらく投資してみて、慣れてきたら少しずつ金額を増やしてくという方法が良いのかもしれません。当社代表の藤野も「手に汗かかない」金額で小さく投資をスタートすることをお勧めしています。
    子どもの頃にお小遣いで投資をしてみて、大人になってからは自分で稼いだお金で投資をする、という中倉さんの投資の始め方は、まさにこのやり方の実践だったともいえるでしょう。

    子どもに投資を教えるのは難しいかも、大丈夫かな、と心配になる親の気持ちを明るくしてくれるようなお話を伺って、インタビューは終了となりました。

    将棋にも投資にも正解は無い

    お二人へのインタビューの後、メモを見返しながら色々なことを考えました。

    中倉さんのように子ども時代に投資を始めるのもいいし、島井さんのように大人になってからも新しいことを始める柔らかさを失わずにいるというのも、どちらも素敵なことだと感じました。

    私たちがLPSAの大会の支援をさせていただいたのも、大きな意味での“投資“です。
    「ひふみ杯」を通じて、お二人の経験談を伺い、お客様にお伝えすることができました。
    これからも“投資”によって、社会やひふみのお客様にとってよい流れを作っていく存在でありたい、と想いを新たにしました。

    また、ひふみのお客様の中には、「子どもに投資について教えてあげたいけど、具体的にどうすればいいんだろう」「子どもが早く投資について知ったせいで、お金に関する価値観が歪んでしまわないか心配」と、悩んでいる方もいると思います。
    中倉さんが「将棋に正解は無い」とおっしゃっていたのと同じく、私たちも「投資に正解は無い」ということを、創業以来ずっと考え、お客様に伝えてきました。同様に、子どもに投資を教える方法にも正解はないと思っています。

    この連載“未来が楽しみになる”の過去回で、レオスの子育て社員がそれぞれの家庭での子どもへの教育について語り合った座談会のレポートや、副社長の湯浅と社長の藤野の娘の菜々歩さんが子どもへのお金の教育について語ってくれた座談会のレポートも配信しています。
    まだの方は、ぜひそちらもお読みになってみてください。
    >>>未来が楽しみになる!子どもと一緒に考えるお金のこと
    >>>未来が楽しみになる!副社長と社長の娘が語った「子どもとお金」 前編

    インタビューにご協力くださった中倉さん、島井さん、ありがとうございました。
    これからもお客様が“投資”も“子育て”も楽しんでいただけるような情報を発信していけたらと思っています。

    撮影場所:ダイヤモンド囲碁サロン(東京都千代田区)
    ※当記事のコメントは、掲載時点での個人の見解を示すものです。当社が運用する投資信託や金融商品等の売却・購入等の行為の推奨を目的とするものではありません。