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現役世代からでも役に立つ、終活の基礎知識

はじめまして。田村と申します。
このシリーズでは、終活や相続、退職世代のお金のあれこれをテーマに連載をいたします。
私自身、金融教育事業に携わったり、父が突然他界する経験をしたりするなかで、このテーマの重要性を感じるようになりました。本連載が、単に投資をして資産をふやす・ためる、というだけではなく、それを使ってどのように自身や家族の人生をゆたかにするのかを考えるきっかけになれば幸いです。

田村 啓樹(タムラ ヒロキ)
オンライン証券で勤務した後、2021年11月にレオス・キャピタルワークス入社。現在はSBIグローバルアセットマネジメント株式会社のグループ会社で金融教育事業に取り組む。フィナップ株式会社 代表取締役社長、ファイナンシャルプランナー。

終活とは何か?

終活は「人生の終わりをより良く迎えるための準備」と説明されることがよくあります。
そのように聞くと、なんとなく後ろ向きなことに感じたり、自分にはまだ関係のないことと感じたりして、自分とは縁遠いものと思う方も多いかもしれません。

しかし、終活という言葉が誤解を招きがちですが、終活で大事なのは“終わり”ではなく、その準備を通して残りの人生をどのように楽しく過ごすか、より良い人生を過ごすかということです。また、終活はお金のことや相続に限らず、より幅広い活動を指しますが、それを通して自分の価値観や人間関係、お金の使い方など様々なことを考えるきっかけになります。だからこそ終活に関する知識は「歳をとったら知ればいいこと」ではなく、年齢を問わず知っておくことで、自分自身や家族の人生をより豊かにしてくれます。

まず終活は「前向きで明るいもの」「何歳でも知っておいて、取り組んでおいて損はないもの」ということを知っておいてください。

終活で考えることの全体像

終活と一口に言ってもそこで考えるべきこと、取り組むべきことは多岐にわたります。
以下に例を挙げていますが、これら全てをやらなければいけないわけではありません。自分にとって必要なことだけ取り組む、重要なことから取り組むというように、無理のない範囲でスタートすることが大切です。

【残りの人生をゆたかに過ごすための準備】

・どんな場所でどんな生活を送るのかを考える

・収入・資産をどのように使うのかを考える

・資産をどのように運用するかを考える

・医療・介護の希望を伝える・準備する

・後見制度の利用を利用する

【自分の死後に意思を伝えるための準備】

・エンディングノートや遺言書を書く

・死後事務委任契約を利用する

【遺された家族の負担や不安を軽くするための準備】

・資産や借金の把握

・銀行口座や証券口座、保険等の一覧化

・不動産に関する書類の一覧化

・ID/パスワードの一覧化

いつから終活に取り組むべきなのか?

終活に取り組むべきタイミングは早ければ早いほど良いと考えます。
その理由について、いくつかの視点をご紹介します。

・煩雑な手続きや家族との話し合いは、高齢になると難しくなる
終活でより良い形で自分の意思を実現するうえで、役に立つ制度や仕組みは数多くあります。一方で、それには煩雑な手続きが必要になることも少なくありません。
また、家族との話し合いを通して自分の意思を伝えておくことも欠かせません。
そうしたことに年齢を重ねてから十分取り組むことができるのかという点は、意識しておく必要があります。

・意思能力や体調の変化
歳を重ねると、意思能力や体調にも変化があります。
仮に認知症になってしまうと、意思能力がないものとみなされて様々な手続きが一人ではできなくなってしまいます。そうでなくとも、年齢を重ねて体調に変化があれば、様々な手続きのハードルが上がってしまうこともあります。

・遅すぎることはあっても早すぎることはない
人生は何が起こるか分かりません。突然、病気にかかったり、事故に遭ったり、あるいは認知症になってしまったりと、もっと早く終活に取り組んでいればよかったのにと後悔することはあり得ます。遅すぎることはあっても早すぎることはないのです。

・何度でもやり直して良い
終活において、一度決めたら取り返しのつかないことというのは実は多くありません。
例えば遺言書も、ご自身や家族の状況の変化に合わせて書き直すことができます。
また、一度に全てに取り組まなければいけないわけではなく、自分にとって必要なこと、重要なことから取り組めばいいのです。


今回は、終活の基礎知識についてご説明しました。
終活は自分の人生をより良く生きるための手段のひとつです。
まだ自分には関係ないとは思わず、この連載をきっかけに少しでも考えていただければ幸いです。
次回は、終活の中でも特に多くの方にとって避けては通れない「相続」の基礎知識をお伝えします。

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